要介護認定・介護開始時の初動

親が要介護認定の申請を嫌がるときの進め方

親が申請やサービスを嫌がるとき、条文と自治体の案内から確かめられる範囲を整理します。申請できる人、申請後に本人が関わる場面、先に相談できる窓口を確認できます。

このページで確認すること

親が「介護はまだいらない」と申請を嫌がる場面で、制度上どこまでが家族にできることで、どこから先が本人の関わりを前提にしているかを確認します。個別の説得方法、認定の可否や要介護度の見込み、成年後見などの法的判断は扱いません。

申請を急ぐ前に、親の住所地の地域包括支援センターへ相談する道があります。その相談先と、申請したあとに本人が関わる場面を、条文で確かめた範囲だけ書きます。

申請できる人と、代わりに手続きできる先

要介護認定の申請に関わる人と根拠
誰ができること根拠・出典
本人(被保険者)申請書に被保険者証を添えて市町村に申請する介護保険法第27条第1項
地域包括支援センター・指定居宅介護支援事業者等本人に代わって申請の手続きを行う介護保険法第27条第1項
家族北九州市は「本人や家族のほか」、事業者や地域包括支援センターに依頼して代行してもらえると案内している北九州市「介護保険の申請」

表は横にスクロールできます。条文は「要介護認定を受けようとする被保険者」が申請すると書いています。本人が嫌がっている場合に家族の申請をどう扱うか、委任状が要るかは、条文や公式資料だけでは一律に確認できていません。親の住所地の窓口で確かめてください。必要書類は認定申請に必要なもので確認できます。

申請したあとに、本人が関わる場面

申請後に本人が関わる場面と条文
場面条文に書かれていること根拠
認定調査市町村の職員が本人に面接して、心身の状況や置かれている環境を調査する第27条第2項
主治医意見書市町村が主治の医師に意見を求める。主治の医師がいないときなどは、市町村が指定する医師等の診断を受けるべきことを命ずることができる第27条第3項
審査会での意見審査会は必要があると認めるとき、本人、家族、主治の医師などの意見を聴くことができる第27条第6項
調査に応じないとき正当な理由なしに調査に応じない、または診断命令に従わないときは、市町村は申請を却下することができる第27条第10項

却下するかどうかは市町村の判断で、条文は「できる」と定めています。調査当日の流れは認定調査当日の流れ、主治医がいない場合は主治医意見書のページで確認できます。

先に地域包括支援センターへ相談する

地域包括支援センターは、介護保険法第115条の46で、地域住民の心身の健康の保持や生活の安定に必要な援助を行う施設とされています。市町村が行う地域支援事業には、次の内容が含まれます(第115条の45第2項)。

地域支援事業(包括的支援事業)に含まれる内容
条文の内容この場面との関係
心身の状況や生活の実態の把握、総合的な情報の提供、関係機関との連絡調整(第一号)親の暮らしぶりを伝え、使える制度を聞く入口になる
虐待の防止と早期発見、権利擁護(第二号)放置や虐待が心配なときの相談先になる
認知症である、またはその疑いのある人への総合的な支援(第六号)物忘れが原因で本人が必要性を認めにくいときの相談先になる

家族からの相談をどこまで受け付けるか、訪問の有無は自治体で異なります。親の住所地の地域包括支援センターを確認してください。相談先ごとの違いは介護開始後の相談先早見表で一覧できます。

嫌がる場面ごとに先に確認すること

次の表は、このサイトが上の条文を場面ごとに並べ直したものです。どの行も、親本人の意向を飛ばして進める方法ではなく、確認先の整理です。

場面ごとの確認先
場面先に確認すること参照ページ
申請そのものを嫌がる親の住所地の地域包括支援センターへ、家族から相談できるかを確かめる親の介護が始まったら最初にすること
認定は嫌だが体の衰えが気になる認定を受けずに使える介護予防の入口(基本チェックリスト)の対象かを確かめる。40〜64歳は対象外基本チェックリストと事業対象者
物忘れが増え、必要性を理解しにくそう認知症初期集中支援チームの対象かを、地域包括支援センターに確かめる認知症初期集中支援チーム
ひとり暮らしで様子が心配自治体の見守り・緊急通報サービスの有無と申請先を確かめる緊急通報・見守りサービス
放置や虐待が疑われる市町村・地域包括支援センターの通報・相談窓口へ連絡する高齢者虐待の通報・相談窓口

申請が遅れても、認定は申請のあった日にさかのぼって効力を生じます(第27条第8項)。ただし、申請より前の利用分の扱いは自治体の窓口で確認してください。認定の結果が想定と違うときは、審査請求の対象や期限を確認できます。

よくある質問

Q. 家族だけで要介護認定を申請できますか。

介護保険法第27条第1項は、要介護認定を受けようとする被保険者が申請すると定め、手続きは地域包括支援センターや指定居宅介護支援事業者等に代わって行わせることができるとしています。家族については、北九州市が「申請は本人や家族のほか、居宅介護支援事業者や地域包括支援センターなどに依頼して代行してもらうこともできます」と案内しています。本人が嫌がっている場合に家族だけで進めてよいか、委任状が要るかは自治体ごとに扱いが異なり得るため、親の住所地の窓口で確認してください。

Q. 本人が認定調査を断ったらどうなりますか。

市町村は、申請した被保険者が正当な理由なしに認定調査に応じないときは、申請を却下することができます(介護保険法第27条第10項)。調査は職員が本人に面接して行うものです(同条第2項)。

Q. 地域包括支援センターには、申請前でも相談できますか。

介護保険法第115条の45第2項は、市町村が行う地域支援事業として、心身の状況や生活の実態の把握、総合的な情報の提供、権利擁護、認知症の疑いのある人への総合的な支援を定めています。申請前の相談の受け付け方は自治体で異なるため、親の住所地の地域包括支援センターに問い合わせてください。

公式根拠

介護保険法第27条・第115条の45・第115条の46はe-Gov法令検索で確認できます(確認日2026年10月12日)。家族による代行の案内は北九州市の介護保険の案内、地域包括支援センターは厚生労働省の案内で確認できます。

次に読むページ

申請の準備は認定申請に必要なもの、全体の初動は親の介護が始まったら最初にすること、申請の流れは要介護認定の申請と流れで確認できます。

← 自分の準備状況へ戻る