費用と手続き

親の預金から介護費用を払うときの手順(代理人・成年後見・家族による払出し)

親が自分で預金を引き出せないとき、銀行の扱いは本人の判断能力と代理権の有無で分かれます(状況別の扱い・家族による払出しの条件)。全国銀行協会の公表資料で確認した内容だけを整理します。

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銀行は、預金の払出しに原則として預金者本人の意思確認を求めます。親が自分で手続きできない場合の扱いは、本人の判断能力と、代理権の有無で分かれます。全国銀行協会(全銀協)が会員の銀行向けに公表した考え方を中心に、案内として整理します。

全銀協の考え方は、会員各行の参考として取りまとめたもので、各行に一律の対応を求めるものではありません。実際の書類や運用は、親の取引銀行ごとに異なります。個別の法的判断(成年後見・相続・家族信託など)は、このページでは行いません。

状況別の扱い

親の預金から介護費用を払うとき:状況別の銀行の扱い(全銀協の考え方による)
親の状況銀行の扱いの考え方家族が先にすること
判断能力に問題がなく、来店が難しい代理人指名の手続などを通じて、本人の払出しの意思を確認できる。銀行が任意代理人の届出を受けていれば、任意代理人と取引できる親の取引銀行に、代理人の届出の方法を問い合わせる
判断能力が低下している(一部低下を含む)本人の財産保護のため、親族等に成年後見制度などの利用を促すのが一般的成年後見制度の相談先を確認する
成年後見人等がすでに選任されている成年後見人等との取引になる。成年後見人等が指定された後は、それ以外の親族等からの払出しには応じず、成年後見人等からの依頼を求めるのが基本後見人であることを銀行の手順に沿って届け出る
判断能力がなく、後見制度の利用が間に合わない親族等による払出しは、極めて限定的な対応。本人の利益に適合することが明らかな場合(本人が払うはずだった医療費など)に限る取引銀行に事情を説明して相談する

表は横にスクロールできます。確認日は2026年10月12日です。

家族による払出しが認められる場合の条件

代理権のない親族等からの払出しは、本人に突然の病気や事故などが起きた場合の対応として、全銀協が判断のポイントを整理しています。実際に認めるかどうかは、各行が決めます。

  • 本人の状態: 医療機関に銀行から問い合わせても個人情報保護の観点から回答を得られないのが通常のため、依頼人の説明のほか、医療機関が出した診断書の写しなどで確認する方法が挙げられています。認知判断能力の喪失の確認方法としては、本人との面談、診断書の提出、担当医へのヒアリングなどが挙げられています
  • 対象にする預貯金: 解約を要せずに払出しできる普通預金が考えられるとされ、外貨預金などのリスク性の金融商品はより慎重な対応とされています
  • 資金の使いみち: 本人のために必要な資金であることが明らかなもの。医療費や施設入居費などが想定されています
  • 金額・回数: 上限を設けることが考えられるとされています
  • 出金方法: 払い出した金額が実際にその使途に使われるよう、本人の口座から費用の請求先(病院・施設など)へ直接払いを基本とするとされています
  • 期間: 極めて限定的な対応であり、成年後見制度(審判前の保全処分を含む)の利用や、各行の代理人制度・財産管理サービスの案内につなぐとされています
キャッシュカードと暗証番号を預かって引き出すことの扱いは、確認した公式資料に記載がなく、このページでは判断を書きません。

預かったカードで家族が引き出してよいかは、銀行ごとの規定や状況で変わる可能性があります。トラブルを避けるため、先に取引銀行へ相談してください。

本人が元気なうちにできること

全銀協は、預金者本人の意思確認ができなくなる前の準備として、資産の整理、地域の公的サポートの活用、銀行独自の代理人制度や財産管理サービスの検討、成年後見制度の利用を案内しています。代理人制度の名称・対象・必要書類は銀行ごとに異なるため、親の取引銀行に直接確認します。

判断能力が不十分な人の日常のお金の管理を支える制度は日常生活自立支援事業のページ、成年後見制度の利用を支える事業は成年後見制度の支援事業のページで確認できます。

あわせて確認すること

親の口座から出した介護費用を子が立て替えるとき、贈与とみなされる場合の整理は介護費用の立て替えと贈与税のページで確認できます。親の年金の口座や住所を変える手続きは親の年金の代理手続きのページ、介護の相談の入口は地域包括支援センターへの初回相談のページにあります。

よくある質問

親が認知症になったら、口座はすぐ使えなくなりますか

全銀協の資料に「口座が凍結される」という定めはありません。銀行が本人の認知判断能力の低下を把握した場合は、財産保護の観点から成年後見制度の利用を促すのが一般的とされています。

成年後見人が決まった後も、家族が引き出せますか

成年後見人等が指定された後は、成年後見人等以外の親族等からの払出しには応じず、成年後見人等からの依頼を求めるのが基本とされています。

入院費の支払いが急ぎのときは

全銀協は、本人の生活費や入院・介護施設の費用に資金が必要で困っているときは、まず取引銀行に相談するよう案内しています。至急の支払いが必要な場合には、審判前の保全処分を活用する考え方も示されています。

よくある質問の答えは、2026年10月12日に下の公式根拠で照合しました。

公式根拠

確認日: 2026年10月12日。個別の法的判断は行いません。成年後見制度は家庭裁判所・お住まいの市区町村の窓口、口座の扱いは取引銀行へご確認ください。

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