このページで確認する こと
介護老人保健施設(老健)は、要介護の人が、自宅で生活できるようになるための支援を受ける施設です。法律と厚生労働省令の本文から、誰が対象か、特養・介護医療院と何が違うか、入所中に何が検討されるかを確認します。施設の紹介や、入所できるかどうかの個別判断は行いません。
法律上の老健の定義
介護保険法第8条第28項は、介護老人保健施設を次のような施設としています。
- 対象: 要介護者のうち、主として心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要な人(治療の必要の程度は厚生労働省令で定める)
- 行うこと: 施設サービス計画に基づく、看護、医学的管理の下における介護、機能訓練その他必要な医療、日常生活上の世話
- 開設: 都道府県知事の許可を受けたもの(同法第94条第1項)
対象は「要介護者」と書かれています。要支援の人は、条文上の対象に含まれていません。要介護度の区分は要介護認定で決まります。
特養・介護医療院との法律上の違い
老健、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)、介護医療院は、介護保険法で「介護保険施設」とされる3種類です(第8条第25項)。条文の書き方を並べると、目的の違いが分かります。
| 施設 | 対象の書き方 | 行うこと |
|---|---|---|
| 介護老人保健施設(老健) | 要介護者のうち、心身の機能の維持回復を図り、居宅での生活を営めるようにする支援が必要な人 | 看護、医学的管理の下における介護、機能訓練その他必要な医療、日常生活上の世話 |
| 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム。入所定員30人以上) | 入所する要介護者 | 入浴・排せつ・食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理、療養上の世話 |
| 介護医療院 | 要介護者のうち、主として長期にわたり療養が必要な人 | 療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護、機能訓練その他必要な医療、日常生活上の世話 |
老健だけに「居宅における生活を営むことができるようにするための支援」という目的が書かれています。介護医療院は「長期にわたり療養が必要」な人が対象です。特養の入所要件は特別養護老人ホームの入所要件のページで確認できます。
入所の対象と優先の考え方
厚生労働省令(介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準)の第8条は、次のように定めています。
- 心身の状況や病状、置かれている環境に照らし、看護、医学的管理の下における介護、機能訓練その他必要な医療等が必要と認められる人を対象にサービスを提供する
- 入所申込者の数が空きの数を超えているときは、医学的管理の下における介護と機能訓練の必要性を考え、サービスを受ける必要性が高い人を優先して入所させるよう努める
- 入所の際は、居宅介護支援事業者への照会などで、心身の状況、生活歴、病歴、居宅サービスの利用状況を把握するよう努める
要介護度の下限を定める記載は、確認した条文にはありません。入所の可否と順番は施設ごとの判断になるため、申込みを考える施設と、担当のケアマネジャーに相談してください。
入所中に検討されること
同じ省令は、入所中と退所のときの手続を次のように定めています。
- 入所者が居宅で日常生活を営めるかどうかを定期的に検討し、内容を記録する(第8条第4項)
- この検討は、医師、薬剤師、看護・介護職員、支援相談員、介護支援専門員などの間で協議して行う(同条第5項)
- 退所のときは、本人や家族への適切な指導を行い、居宅介護支援事業者や退所後の主治の医師への情報提供などに努める(同条第6項)
条文が示すのは検討の義務までで、入所できる期間の上限や、何か月ごとに検討するかは、確認した条文に書かれていません。「何か月で退所になるか」は、入所を希望する施設に直接確認してください。退所後の暮らしの準備は、ショートステイや訪問介護などの在宅サービスのページで確認できます。
費用の考え方
同じ省令の第11条は、施設介護サービス費の自己負担のほかに、次の費用を入所者から受け取れるとしています。食事の提供に要する費用、居住に要する費用、特別な療養室の提供に要する費用、特別な食事の提供に要する費用、理美容代などです。食費と居住費には、特定入所者介護サービス費が支給された場合の基準費用額・負担限度額が上限になるという定めがあります。
所得が低い人の食費・居住費の軽減は介護保険負担限度額認定証のページ、1か月の自己負担が上限を超えたときの払い戻しは高額介護サービス費のページで確認できます。
未確認のまま扱っている 事項
- 「治療の必要の程度」として厚生労働省令が定める具体的な内容は確認していません。
- 入所期間の目安、利用料や居住費・食費の具体的な額、待機の状況は確認していません。
- 各施設の入所判定の基準と、申込みに必要な書類は確認していません。
- お住まいの地域にある施設の名称と空き状況は確認していません。
よくある質問
Q. 老健と特養は何が違いますか。
介護保険法の条文では、老健は居宅での生活を営めるようにする支援を目的とし、特養は入所する要介護者への日常生活上の世話や療養上の世話を行う施設とされています。特養の入所要件は上のページで確認できます。老健について要介護度の下限を定める記載は、確認した条文にありません。
Q. 老健は誰が申し込めますか。
条文上の対象は要介護者(治療の必要の程度は厚生労働省令で定める)で、必要な医療や介護が必要と認められる人です。入所の可否は、申込みを考える施設が、本人の状況を把握したうえで判断します。
Q. 入所したらずっといられますか。
省令は、居宅で日常生活を営めるかどうかを定期的に検討することを求めています。入所できる期間の上限は、確認した条文には書かれていません。希望する施設に確認してください。
Q. 相談はどこにすればよいですか。
担当のケアマネジャー、市区町村の窓口、地域包括支援センターなどの相談窓口で聞けます。入所の申込み先は、入所したい施設です。
公式根拠
確認日: 2026年10月8日。個別の入所・入居の可否の判定や施設の紹介は行いません。実際の可否と手続は、希望する施設、お住まいの市区町村・地域包括支援センター、担当のケアマネジャーでご確認ください。
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