介護医療院

介護医療院とは|対象者・費用の考え方・特養や老健との違い

介護医療院は、長期にわたる療養が必要な要介護の人に、医療と介護と日常生活の世話を一体で行う介護保険施設です。法律上の定義、入所の対象、施設の基準、費用の考え方を、条文で確認します。

このページで確認すること

介護医療院は、主として長期にわたり療養が必要な要介護の人が入る、介護保険の施設です。法律と厚生労働省令の本文から、誰が対象か、どんな施設か、費用は何に分かれるか、特養・老健と何が違うかを確認します。施設の紹介や、入所できるかどうかの個別判断は行いません。

法律上の介護医療院の定義

介護保険法第8条第29項は、介護医療院を次のような施設としています。

  • 対象: 要介護者のうち、主として長期にわたり療養が必要な人(治療の必要の程度は厚生労働省令で定める)
  • 行うこと: 施設サービス計画に基づく、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護、機能訓練その他必要な医療、日常生活上の世話
  • 開設: 都道府県知事の許可を受けたもの(同法第107条第1項)

対象は「要介護者」と書かれています。要支援の人は、条文上の対象に含まれていません。要介護度の区分は要介護認定で決まります。介護医療院は、介護保険法第8条第25項で、特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)、介護老人保健施設と並ぶ「介護保険施設」の一つです。

施設としての考え方

厚生労働省令(介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準)の第2条は、基本方針を次のように定めています。

  • 長期にわたり療養が必要な人に、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護、機能訓練その他の医療、日常生活上の世話を行い、自立した日常生活を営めるようにする
  • 入所者の意思と人格を尊重する
  • 明るく家庭的な雰囲気を持ち、地域や家庭との結び付きを重視して運営する

また、介護保険法第115条は、介護医療院は医療法にいう病院や診療所ではないと定めています。病院の入院とは別の、介護保険の施設サービスです。

施設の基準

同じ省令の第5条は、介護医療院が持つべき施設として、療養室、診察室、処置室、機能訓練室、談話室、食堂、浴室、レクリエーション・ルームなどを挙げています。療養室については次の基準があります。

  • 1つの療養室の定員は4人以下
  • 入所者1人あたりの床面積は8平方メートル以上
  • 入所者のプライバシーの確保に配慮した療養床を備える

浴室には、一般の浴槽のほかに、入浴に介助が必要な人のための特別浴槽を設けることも定められています。

入所の対象と優先の考え方

同じ省令の第12条は、入所について次のように定めています。

  1. 心身の状況や病状、置かれている環境に照らし、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護、機能訓練その他の医療等が必要と認められる人を対象にサービスを提供する
  2. 入所申込者の数が空きの数を超えているときは、長期にわたる療養と医学的管理の下における介護の必要性を考え、サービスを受ける必要性が高い人を優先して入所させるよう努める
  3. 入所の際は、居宅介護支援事業者への照会などで、心身の状況、生活歴、病歴、居宅サービスの利用状況を把握するよう努める

入所中は、居宅で日常生活を営めるかどうかを定期的に検討し、内容を記録することが求められます(同条第4項)。この検討は、医師、薬剤師、看護職員、介護職員、介護支援専門員などの間で協議して行います(同条第5項)。要介護度の下限や、入所できる期間の上限は、確認した条文には書かれていません。希望する施設と、担当のケアマネジャーに確認してください。

特養・老健との法律上の違い

3種類の介護保険施設の条文上の位置づけ(介護保険法第8条第27〜29項)
施設対象の書き方目的の書き方
介護医療院要介護者のうち、主として長期にわたり療養が必要な人療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護、機能訓練その他の医療、日常生活上の世話
介護老人保健施設(老健)要介護者のうち、心身の機能の維持回復を図り、居宅での生活を営めるようにする支援が必要な人看護、医学的管理の下における介護、機能訓練その他の医療、日常生活上の世話
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)入所する要介護者入浴・排せつ・食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理、療養上の世話

条文の書き方では、介護医療院は「長期にわたる療養」、老健は「居宅での生活に戻るための支援」が目的として書かれています。3施設を1表で並べた介護保険施設の比較もあります。詳しい比較は老健の入所対象と特養・介護医療院との違い、特養の入所要件は特別養護老人ホームの入所要件で確認できます。

費用の考え方

同じ省令の第14条は、介護保険の施設介護サービス費の自己負担のほかに、次の費用を入所者から受け取れるとしています。

  • 食事の提供に要する費用
  • 居住に要する費用
  • 入所者が選ぶ特別な療養室の提供に要する費用
  • 入所者が選ぶ特別な食事の提供に要する費用
  • 理美容代
  • 日常生活で通常必要になる便宜のうち、入所者に負担させることが適当と認められるもの

食費と居住費は、所得が低い人に特定入所者介護サービス費が支給された場合、基準費用額・負担限度額が上限になります。これらの費用を受け取るときは、事前に内容と費用を記した文書で入所者や家族に説明し、同意を得ることが求められます(同条第5項)。具体的な金額の表は介護保険負担限度額認定証のページ、1か月の自己負担が上限を超えたときの払い戻しは高額介護サービス費のページで確認できます。

未確認のまま扱っている事項

  • 「治療の必要の程度」として厚生労働省令が定める具体的な内容は確認していません。
  • 施設の種類(類型)ごとの人員配置と、利用料や居住費・食費の具体的な額は確認していません。
  • 各施設の入所判定の基準と、申込みに必要な書類は確認していません。
  • お住まいの地域にある施設の名称と空き状況は確認していません。

よくある質問

Q. 介護医療院は病院ですか。

いいえ。介護保険法第115条は、介護医療院は医療法にいう病院や診療所ではないと定めています。介護保険の施設サービスを行う施設です。

Q. 要支援でも入所できますか。

条文上の対象は要介護者で、要支援の人は含まれていません。要介護度の区分は要介護認定で決まります。

Q. 特養や老健とは何が違いますか。

条文では、介護医療院は主として長期にわたり療養が必要な要介護者を対象とし、老健は居宅での生活に戻るための支援を目的としています。特養は入所する要介護者の日常生活上の世話を中心に書かれています。

Q. 相談はどこにすればよいですか。

担当のケアマネジャー、市区町村の窓口、地域包括支援センターなどの相談窓口で聞けます。入所の申込み先は、入所したい施設です。

公式根拠

確認日: 2026年10月10日。個別の入所・入居の可否の判定や施設の紹介は行いません。実際の可否と手続は、希望する施設、お住まいの市区町村・地域包括支援センター、担当のケアマネジャーでご確認ください。

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