認知症基本法

認知症基本法の内容と計画(目的・基本理念・国と自治体の計画)

2024年1月に施行された認知症基本法が何を定め、国の基本計画や市町村の計画がどう関わるか、家族が相談に使える入口はどこかを、法令と内閣官房の資料で確認します。

このページで確認すること

認知症基本法は、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らせる社会をつくるために、基本理念と国・自治体の責務、計画の作り方を定めた法律です。個別の給付や手続きを定める法律ではなく、このサイトの他の認知症のページで扱う事業や窓口の背景にあたります。個別の該当可否や、ご家族の状況に応じた判断は行いません。

法律の目的

第1条は、急速な高齢化で認知症の人が増えている現状を踏まえ、認知症施策を総合的かつ計画的に推進し、認知症の人を含めた国民一人一人が個性と能力を十分に発揮し、互いに支え合いながら共生する社会(共生社会)の実現を推進することを目的としています。

基本理念(第3条)

第3条は、認知症施策を行うときの基本理念として、次の7つを挙げています。

  1. 全ての認知症の人が、基本的人権を持つ個人として、自らの意思で日常生活・社会生活を営めるようにすること。
  2. 国民が、認知症に関する正しい知識と認知症の人への正しい理解を深められるようにすること。
  3. 日常生活や社会生活の障壁を除き、安全・安心に暮らせるようにするとともに、意見を表明する機会と社会の活動に参画する機会を確保すること。
  4. 認知症の人の意向を尊重しつつ、良質で適切な保健医療サービス・福祉サービスが切れ目なく提供されること。
  5. 認知症の人だけでなく、その家族など密接な関係を持つ人(家族等)への支援が適切に行われること。
  6. 認知症に関する研究を進め、その成果を広く国民が受けられる環境を整えること。
  7. 教育、地域づくり、雇用、保健、医療、福祉などの関連分野で、総合的に取り組むこと。

第8条は、国民にも、認知症に関する正しい知識と認知症の人への正しい理解を深め、共生社会の実現に寄与するよう努める責務を置いています。第9条は、9月21日を「認知症の日」、9月を「認知症月間」と定めています。

国と自治体の計画の関係

法律の中心の一つが、計画を重ねて作る仕組みです。

  • 国の認知症施策推進基本計画(第11条): 政府が策定する義務があります。原則として施策ごとに具体的な目標と達成時期を定め、閣議決定を経て国会に報告し、公表します。少なくとも5年ごとに内容を検討します。
  • 都道府県認知症施策推進計画(第12条): 都道府県は、国の基本計画を基本として策定するよう努めるとされています(努力義務)。
  • 市町村認知症施策推進計画(第13条): 市町村(特別区を含む)は、国の基本計画(都道府県計画があれば両方)を基本に、地域の実情に合わせて策定するよう努めるとされています(努力義務)。市町村の老人福祉計画や介護保険事業計画など、関連する計画と調和が保たれたものでなければなりません。

国の第1期基本計画は令和6(2024)年12月3日に閣議決定されました。計画期間は令和6年12月から令和11(2029)年度までのおおむね5年間です。計画の前文は、認知症の人と家族等と共に施策を立案・実施・評価することを重要な考え方に挙げています。

市町村計画は努力義務のため、策定の有無や名称、公表の場所は市町村ごとに異なります。このページでは、個別の市町村の策定状況は確認していません。

家族が使える入口

第19条は、国と地方公共団体に、認知症の人や家族等からの各種の相談に総合的に応じる体制の整備を求めています。あわせて、認知症の人や家族等が孤立しないよう、互いに支え合う交流活動への支援や、関係機関の紹介などの情報提供を行うものとしています。

この法律に基づく窓口は、地域の既存の仕組みとして用意されているものが多くあります。身近な相談先は、お住まいの地域の地域包括支援センターです。困りごとに合わせた窓口は、次のページで確認できます。

問い合わせ時の確認項目

  1. お住まいの市町村に、市町村認知症施策推進計画があるか、どこで読めるかを、高齢者福祉の担当課か地域包括支援センターに尋ねます。
  2. 計画がない場合や策定中の場合は、既存の介護保険事業計画(高齢者福祉の計画)で認知症施策がどう扱われているかを尋ねます。
  3. 家族として使える相談窓口と、交流の場(認知症カフェなど)の場所・日程を併せて尋ねます。

未確認のまま扱っている事項

  • お住まいの都道府県・市町村の計画の策定状況と内容は確認していません。
  • 基本計画に定められた個別の重点目標の達成状況は確認していません。
  • 個別の事情に応じた制度の適用や、法律上の権利の判断は行いません。

よくある質問

Q. 認知症基本法とは、どんな法律ですか。

正式名称は「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」(令和5年法律第65号)です。認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らせるよう、基本理念、国と地方公共団体などの責務、認知症施策の計画の策定などを定めた法律で、令和6(2024)年1月1日に施行されました。

Q. 認知症基本法で、家族はどう位置づけられていますか。

基本理念の一つに、認知症の人への支援だけでなく、その家族など日常生活で密接な関係を持つ人(家族等)への支援が適切に行われ、認知症の人と家族等が地域で安心して暮らせるようにすることが挙げられています。第19条は、国と地方公共団体が、認知症の人や家族等からの相談に総合的に応じる体制を整えるとしています。

Q. 国の認知症施策推進基本計画は、いつ決まりましたか。

令和6(2024)年12月3日に閣議決定されました。第1期の計画期間は、令和6年12月から令和11(2029)年度までのおおむね5年間です。

Q. お住まいの市町村の認知症の計画は、どこで確認できますか。

市町村は、国の基本計画を基本として、市町村認知症施策推進計画を策定するよう努めるとされています。策定の有無や公表場所は市町村ごとに異なるため、市区町村の高齢者福祉の担当課か地域包括支援センターに尋ねてください。

公式根拠

確認日: 2026年10月15日。個別の相談の代行・施設の紹介は行いません。実際の相談先は、お住まいの市区町村・地域包括支援センターでご確認ください。

← 自分の準備状況へ戻る