法定後見の申立て

法定後見の申立て手続き(申立先・必要書類・費用)

認知症などで親の判断能力が低下したあと、家庭裁判所に後見開始を申し立てるときの、申立先・申立人・費用・必要書類・審理の流れを、裁判所の公式ページで確認します。

このページで確認すること

法定後見のうち「後見開始」の申立てについて、申立先・申立人・費用・必要書類・申立後の流れを確認します。個別に「申し立てるべきか」「後見・保佐・補助のどれに当たるか」の判断は行いません。後見・保佐・補助の3類型は、判断能力の程度で分かれます。

法定後見・任意後見・家族信託の違いと後見人報酬の目安は法定後見・任意後見・家族信託の比較のページ、申立てができない事情がある場合の市区町村の助成は成年後見制度利用支援事業のページで確認できます。

後見開始の審判とは

裁判所は、後見開始の審判を次のように説明しています。「精神上の障害(認知症、知的障害、精神障害など)によって判断能力が欠けているのが通常の状態の方(本人)を保護するための手続です。家庭裁判所は、本人のために成年後見人を選任し、成年後見人は、本人の財産に関するすべての法律行為を本人に代わって行うことができ、また、成年後見人又は本人は、本人が自ら行った法律行為に関しては、日常生活に関するものを除いて、取り消すことができます。」

申立てができる人

裁判所の後見開始のページが挙げる申立人は、次のとおりです。

  • 本人(後見開始の審判を受ける人)
  • 配偶者
  • 四親等内の親族
  • 未成年後見人、未成年後見監督人
  • 保佐人、保佐監督人
  • 補助人、補助監督人
  • 検察官

任意後見契約が登記されているときは、任意後見受任者、任意後見人、任意後見監督人も申し立てることができます。親の子は一親等の親族なので、この範囲に入ります。市区町村長による申立てがある場合は、成年後見制度利用支援事業のページで確認できます。

申立先

申立先は、本人の住所地の家庭裁判所です。申立人の住所地ではありません。遠方に住む親の申立てをするときは、親の住所地を管轄する家庭裁判所を調べます。裁判所のサイトの申立書提出先一覧(家庭裁判所)で確認できます。遠距離の場合の備えは遠距離介護の準備のページにまとめています。

申立てにかかる費用

後見開始の申立ての費用(確認日: 2026年10月13日)
項目金額・内容
申立手数料収入印紙800円分
登記手数料収入印紙2,600円分(登記印紙2,600円分をすでに持っている場合は、当分の間、それで納付できる)
連絡用の郵便切手裁判所ごとに異なる。申立先の家庭裁判所に確認する(保管金としての納付、郵便切手での納付のどちらも可)
鑑定費用本人の判断能力について鑑定が必要な場合、申立人が負担することがある(金額は今回確認した資料に記載なし)

表は横にスクロールできます。

裁判所の手続説明では、これらの費用は申立人が負担するのが原則で、申立人が希望した場合には、申立手数料・送達費用・後見登記手数料・鑑定費用の全部または一部を本人の負担とすることが認められる場合があるとされています。保佐・補助の開始で代理権や同意権の付与も申し立てるときは、申立手数料が1,600円分または2,400円分になる区分があります。

後見が始まったあとの後見人への報酬は、申立費用とは別のものです。目安は比較のページの報酬の節にあります。

必要な書類

裁判所のページが示す標準的な申立添付書類は次のとおりです。戸籍謄本・住民票などは発行から3か月以内のものです。マイナンバーが記載された書類は提出しないよう注意が示されています。

  • 申立書(書式と記載例は裁判所のページにある)
  • 本人の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 本人の住民票または戸籍附票
  • 成年後見人候補者の住民票または戸籍附票(候補者が法人の場合は商業登記簿謄本)
  • 本人の診断書(裁判所の「診断書作成の手引・本人情報シート作成の手引」の書式を参照)と、本人情報シートの写し
  • 本人の健康状態に関する資料(介護保険認定書、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、身体障害者手帳などの写し)
  • 本人について、成年被後見人等の登記がされていないことの証明書(法務局で発行)
  • 本人の財産に関する資料(預貯金通帳の写しや残高証明書、不動産登記事項証明書または固定資産評価証明書、ローン契約書の写しなど)
  • 本人の収支に関する資料(年金額決定通知書、給与明細書、施設利用料・入院費・税や保険料の通知書の写しなど)

申立書とあわせて提出する書類として、裁判所の手続説明のチェックリストには、親族の意見書、財産目録、収支予定表などが挙げられています。審理に必要な場合は、追加書類の提出を求められることがあります。同じ書類は1通で足ります。

親の要介護認定の結果がある場合は、介護保険認定書の写しが「健康状態に関する資料」になります。認定結果の通知の流れは認定結果が届くまでの流れのページ、預貯金の資料の集め方は親の預金から介護費用を払うときの手順のページで確認できます。

申立てから審判までの流れ

  1. 申立て:本人の住所地の家庭裁判所に、申立書と添付書類を出し、費用を納めます。
  2. 家庭裁判所での確認:申立てを受けた家庭裁判所では、参与員が、申立人が出した資料について申立人から説明を聴くことがあります。家庭裁判所調査官が、申立人、本人、成年後見人候補者に会って、申立ての実情や本人の意見を聴くこともあります(ウェブ会議の利用も可)。
  3. 判断能力の確認:本人の判断能力について、鑑定や医師の診断書などをもとに判断されます。
  4. 審判:本人の財産の内容や、生活するうえで必要な援助の内容に応じて、ふさわしい人が成年後見人に選ばれます。

申立てをした後は、家庭裁判所の許可がないと取り下げられません。また、成年後見人には家庭裁判所が本人にとって最も適任と判断した人が選ばれるため、候補者が必ず選任されるとは限りません。申立てから審判までにかかる期間は、今回確認した資料に記載がありません。

相談先

裁判所の手続説明は、成年後見制度の相談先として各市区町村の地域包括支援センターを挙げています。また、成年後見制度を利用するときの経費を助成している市区町村もあると案内しています。窓口の選び方は地域包括支援センターへの相談のページ、認知症の親への対応の全体像は認知症ケアパスのページで確認できます。

未確認のまま扱っている事項

  • 申立てから審判までの期間、鑑定費用の金額、診断書の作成費用、戸籍・住民票・登記事項証明書の取得費用の金額は、今回確認した裁判所の資料に記載がなく、載せていません。
  • 保佐開始・補助開始の申立ての申立人・必要書類の細かな違いは、このページでは扱っていません。
  • 家庭裁判所ごとに、郵便切手の額や追加で求められる書類が異なります。申立先の裁判所のサイトで確認してください。
  • 個別の「申し立てるべきか」「どの類型に当たるか」「誰を後見人候補にするか」の判断は行いません。

よくある質問

法定後見の申立ては、どこの家庭裁判所にするのですか

後見開始の申立先は、本人の住所地の家庭裁判所です。親の住所地が自分の住まいと離れている場合は、親の住所地を管轄する家庭裁判所になります。裁判所の「申立書提出先一覧(家庭裁判所)」で調べられます。

申立てができるのは誰ですか

裁判所の後見開始のページでは、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、検察官が挙げられています。

申立てにはいくらかかりますか

後見開始の場合、申立手数料は収入印紙800円分、登記手数料は収入印紙2,600円分で、連絡用の郵便切手が別に必要です。本人の判断能力について鑑定が必要な場合は、その費用を申立人が負担することがあります。診断書の作成費用や戸籍等の取得費用の金額は、今回確認した裁判所の資料に記載がありません。

子どもを後見人の候補にすれば、必ず選ばれますか

選ばれるとは限りません。裁判所の案内では、成年後見人等には家庭裁判所が本人にとって最も適任と判断した人が選ばれ、候補者がそのまま選任されるとは限らないとされています。

申立てをしたあとで取り下げられますか

申立てをした後は、家庭裁判所の許可を得なければ取り下げることはできません。

公式根拠

確認日: 2026年10月13日。個別の申立ての要否・類型・後見人候補の判断は行いません。実際の取扱いは、申立先の家庭裁判所の案内で確認してください。

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