このページで終える確認
介護保険料の滞納に対する給付の制限は、介護保険法の条文上、65歳以上の第1号被保険者について定められています。40〜64歳の第2号被保険者の保険料は、市町村ではなく加入している医療保険者が医療保険料と一緒に集めます。
親(65歳以上)の保険料の天引きと納付書の違いは親の介護保険料の納め方、自分(40〜64歳)の保険料は40歳から介護保険料が引かれる理由で扱っています。
65歳以上(第1号被保険者)の場合:滞納期間に応じて3段階
要介護認定などを受けている第1号被保険者が保険料を滞納すると、滞納期間に応じて次の措置がとられます。災害など政令で定める特別の事情があると市町村が認めるときは、措置の対象外です。
| 納期限からの期間 | 措置 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 1年が過ぎても未納 | 支払方法変更の記載 | 介護サービス費がいったん全額自己負担になり、あとから保険給付分の払い戻しを受ける形(償還払い)に変わる | 介護保険法第66条、施行規則第99条 |
| 1年6か月が過ぎても未納 | 保険給付の一時差止 | 保険給付の全部または一部の支払を一時差し止める。なお納付しない場合、差し止めた給付額から滞納額を控除することがある | 介護保険法第67条、施行規則第103条 |
| 時効(2年)で保険料を徴収できなくなった期間がある | 給付額減額等の記載 | 期間に応じて一定期間、利用者負担が通常の1割から3割に(通常2割の人は3割、通常3割の人は4割)引き上げられ、高額介護サービス費や特定入所者介護サービス費(食費・居住費の軽減)が受けられなくなる | 介護保険法第69条、施行令第34条 |
表は横にスクロールできます。
支払方法変更の記載を受けた人が滞納分を完納したときなどは、記載は消除されます(介護保険法第66条第3項)。市町村は、期間が過ぎる前でも特別の事情がなければ、支払方法変更の記載や一時差止をすることができます(同条第2項、第67条第2項)。
第69条第3項は、給付率「100分の90」を「100分の70」とすると定めています(通常1割負担の人が3割負担になる)。第4項・第5項は、通常2割・3割負担の人の給付率を「100分の80」「100分の70」から、それぞれ「100分の70」「100分の60」とすると定めています。実際に適用される期間や負担額は、市区町村の介護保険担当課へ確認してください。
保険料を納める義務は、普通徴収の場合、本人だけでなく世帯主と配偶者の一方も連帯して負います(介護保険法第132条第2項・第3項)。親の保険料の納付書が届く世帯では、同居の世帯主や配偶者が納付を求められることがあります。
40〜64歳(第2号被保険者)の場合:給与天引きが基本
介護保険法第129条第4項は、市町村は第2号被保険者から保険料を徴収しないと定めています。第2号被保険者の保険料は、医療保険者が医療保険各法や地方税法の規定により、医療保険の保険料(国民健康保険では保険料または国民健康保険税)として集めます(同法第150条第2項)。
- 会社員(健康保険の被保険者):健康保険の保険料額は一般保険料額と介護保険料額の合計で(健康保険法第156条)、事業主は報酬や賞与から被保険者の負担分を控除できます(同法第167条)。会社員は通常、給与から天引きされるため、自分で納付書を使って納める場面は多くありません。
- 退職して国民健康保険に入った場合:市区町村へ、医療保険料(税)と一体で納める形になります。納付方法や期限は、お住まいの市区町村の国民健康保険担当課で確認します。
第66条・第67条・第69条の措置は、条文上いずれも「第一号被保険者」について定められています。40〜64歳の場合の滞納は、介護保険単独ではなく、加入先の医療保険の保険料の滞納として扱われます。その場合の具体的な扱い(督促や医療保険給付への影響)は、加入先の健康保険組合・協会けんぽ・市区町村の国民健康保険担当課へ確認してください。
時効と督促
介護保険法第200条は、保険料を徴収する権利は、行使できる時から2年で時効によって消滅すると定めています。市町村から出される督促は、時効の更新の効力を持ちます(同条第2項)。「2年たてば払わなくてよい」と考えて放置すると、時効分の期間が第69条の給付額減額の対象になり、利用者負担が上がります。
払えないとき・家族が気づいたときに確認すること
- 収入の急な減少や災害で払えないときは、介護保険料の減免・徴収猶予制度を市区町村の介護保険担当課に相談します。
- 低所得の親の利用者負担を軽くする社会福祉法人等利用者負担軽減制度は、介護保険料を滞納していないことが要件の1つです。
- 施設の食費・居住費の軽減(負担限度額認定)は、第69条の給付額減額を受けると対象外になります。
- 親の通帳・年金の入金先は親が元気なうちに確認することで整理しています。
よくある質問
介護保険料を1か月遅れたら、すぐサービスが使えなくなりますか
条文上、最初の措置(支払方法変更の記載)は納期限から1年が過ぎても納付しない場合です。ただし、期間が過ぎる前でも市町村が措置をとれるとも定められているため、遅れた時点で担当課へ連絡してください。
会社員の自分が介護保険料を滞納することはありますか
給与から天引きされている間は、自分で納付する場面は多くありません。退職後に国民健康保険へ入った場合などは、医療保険料(税)の一部として納めることになります。
親の保険料が滞納になっていたとき、子が払ってもよいですか
普通徴収では世帯主と配偶者の一方が連帯して納付する義務を負います(介護保険法第132条)。それ以外の家族が納めてよいかなど、実際の手続きは市区町村の介護保険担当課へ確認してください。
時効になった保険料はどうなりますか
徴収する権利は消えますが、その期間に応じて、後から要介護認定を受けたときに給付額減額等の記載がされます(介護保険法第69条)。
公式根拠
- e-Gov法令検索 介護保険法 第66条・第67条・第69条(滞納者への措置)、第129条・第132条・第150条・第200条
- e-Gov法令検索 介護保険法施行令 第33条・第34条(給付額減額期間の算定)
- e-Gov法令検索 介護保険法施行規則 第99条・第103条(滞納から措置までの期間)
- e-Gov法令検索 健康保険法 第156条・第167条(介護保険料額と保険料の控除)
確認日: 2026年10月8日。実際の措置の時期や負担額は、お住まいの市区町村の介護保険担当課へご確認ください。
← 自分の準備状況へ戻る