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災害で介護保険の負担が重くなったときに、2つの減免の仕組みがあること、根拠条文、申請先を確認します。
減免の割合・期間・申請期限は国が一律に決めておらず、市区町村ごとに異なります。個別の該当可否や減免額は判定しません。実際の手続きは、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口で確認してください。
2つの減免の違い
| 項目 | 利用者負担の減免 | 保険料の減免・徴収猶予 |
|---|---|---|
| 何が軽くなるか | サービスを使ったときの自己負担(1割・2割・3割) | 毎年払う介護保険料 |
| 根拠 | 介護保険法第50条(要支援者は第60条で同様の扱い) | 介護保険法第142条 |
| 対象 | 要介護認定を受けた人 | 第1号被保険者(65歳以上)の保険料 |
| 決め方 | 市町村が定めた割合(90%を超え100%以下の範囲) | 市町村の条例 |
表は横にスクロールできます。保険料の減免の詳しい対象事由と申請の流れは介護保険料の減免・徴収猶予のページにまとめています。
利用者負担の減免(第50条)
介護保険法第50条第1項は、市町村が「災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情があることにより」費用を負担することが困難と認めた要介護被保険者について、給付割合の「百分の九十」を「百分の九十を超え百分の百以下の範囲内において市町村が定めた割合」に読み替えると定めています。つまり、通常は9割が介護保険から出るところ、9割を超えて10割までの範囲で市町村が給付割合を決めます。第2項は、一定以上所得者の「百分の八十」、第3項は「百分の七十」について同じ仕組みを定めています。
厚生労働省令(介護保険法施行規則第83条第1項第1号)は、特別の事情の1つとして、「震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、住宅、家財又はその他の財産について著しい損害を受けたこと」を挙げています。対象は要介護被保険者本人か、その世帯の生計を主として維持する人が損害を受けた場合です。
保険料の減免・徴収猶予(第142条)
第142条は「市町村は、条例で定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。」と定めています。災害で住宅や家財に著しい損害を受けた場合を対象事由とする自治体が多く、事由と割合は条例で決まります。こちらの条文は「できる」規定で、全国一律の基準はありません。
罹災証明書と申請先
自治体の公式資料では、災害による減免の申請に罹災証明書(り災証明書)を求める例が確認できます。罹災証明書は、災害対策基本法に基づき被害の程度を市区町村が証明する書類で、発行の窓口は市区町村の防災担当や税務担当など自治体ごとに異なります。まず発行を受けてから、介護保険担当窓口で申請します。
利用者負担の減免が認められると、自治体が認定証を交付し、居宅の人はケアマネジャーとサービス事業者に、施設入所の人は入所先に提示して減免を受ける流れが、下の2市の例で確認できます。
自治体の例(2市)
| 項目 | 千葉市 | 東京都新宿区 |
|---|---|---|
| 対象の災害 | 住宅・家財が半焼(半壊)以上の損害 | 災害により財産に著しい損害 |
| 申請期限 | 被災から3か月以内 | 災害等の発生の日から6か月以内 |
| 減免の内容 | 申請月から6か月間(更新で最長1年)、1割負担の人は10%を3%に軽減(2割・3割は20%・30%を3%に) | 罹災の程度に応じて最長6か月の範囲で期間を決定。割合・期間は保険料減免と同一 |
| 証明書類 | り災証明書 | 罹災証明書(保険料減免の申請で提出済みなら不要) |
| その他 | 審査後に認定証を交付 | 要介護認定を受けていない人は対象外。認定証を交付 |
千葉市の例は割合が3%、新宿区の例は保険料減免と同じ割合というように、同じ災害でも自治体で内容が変わります。この数値を全国共通の基準として扱わないでください。
期限の考え方
申請期限は、上の2市の例のとおり「被災から3か月」「6か月」と自治体で異なり、期限を過ぎると利用者負担の減免を受けられない場合があります。保険料の減免は年度単位で決まることが多く、申請期間の定め方も自治体ごとです。災害にあったら、片付けや生活の立て直しと並行して、早めに窓口へ問い合わせて期限を確認するのが安全です。
あわせて確認しておくこと
収入の急な減少による保険料の減免は介護保険料の減免・徴収猶予のページ、月ごとの自己負担の上限は負担限度額認定証のページと高額介護サービス費のページ、保険料を滞納したときの扱いは介護保険料を滞納したときの扱いで扱っています。
親の状況に応じて今できることは、状況別チェックで確認できます。
よくある質問
利用者負担の減免と保険料の減免は、どちらか一方しか受けられませんか
法律上は別の規定(第50条と第142条)で、それぞれ別に申請します。新宿区の例では、利用者負担の減免の割合・期間を保険料減免と同一とし、罹災証明書も保険料減免で提出済みなら不要としています。両方を同時に確認できる窓口もあるため、まとめて問い合わせると手続きが進めやすくなります。
要介護認定を受けていない人も対象になりますか
利用者負担の減免は、サービスを使う要介護認定を受けた人が対象です。新宿区の公式資料も、罹災者が介護認定を受けていない場合は対象にならないと書いています。保険料の減免は条例の定めによります。
罹災証明書がまだ発行されていなくても申請できますか
自治体によって扱いが異なるため、窓口に確認してください。千葉市と新宿区の資料は、いずれも罹災(り災)証明書を申請に必要な書類としています。期限は被災からの日数で数えるため、発行を待つ間も先に窓口へ連絡しておくと安心です。
公式根拠
- 介護保険法第50条・第142条(e-Gov法令検索、平成九年法律第百二十三号)
- 介護保険法施行規則第83条(e-Gov法令検索)(特別の事情として災害を定める規定)
- 千葉市「介護保険 利用者負担の減免制度(災害・収入減少)」
- 東京都新宿区「災害により、財産に著しい損害を受けた時」(介護保険の減免案内)
確認日: 2026年10月10日。個別の該当可否・減免額の判定は行いません。実際の手続きは、お住まいの市区町村の窓口へご確認ください。
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