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親に介護用品のレンタルを使わせたいとき、何が介護保険の貸与の対象で、価格にどんな決まりがあり、要介護度によって使えない種目があるのかを確認します。対象種目・貸与価格の上限の仕組み・要支援と要介護1の扱い・貸与か購入かの選択制を扱います。
個別の要介護度による貸与の可否判定や、どの商品・どの事業者を選ぶべきかの比較は行いません。実際の用具の決定は、担当のケアマネジャーと福祉用具貸与事業者への相談が前提です。
制度の仕組み
介護保険の福祉用具は、要介護者等が自宅で自立した日常生活を営めるよう助ける用具で、保険給付の対象になるものが決められています。そのうち借りて使う方式が「福祉用具貸与」です。厚生労働省の案内ページでは、貸与する用具は担当のケアマネジャーと福祉用具貸与事業者に相談して決めると示されています。
貸与の対象になる種目
貸与の対象は、厚生労働大臣が定める告示(平成11年厚生省告示第93号)で、次の13種目に分けて定められています。厚生労働省の案内ページでは、車いすと特殊寝台は付属品を含めた形で並べられています。
| 告示の番号 | 種目 | 要支援・要介護1の扱い(原則) |
|---|---|---|
| 1 | 車いす | 原則給付の対象外 |
| 2 | 車いす付属品 | 原則給付の対象外 |
| 3 | 特殊寝台 | 原則給付の対象外 |
| 4 | 特殊寝台付属品 | 原則給付の対象外 |
| 5 | 床ずれ防止用具 | 原則給付の対象外 |
| 6 | 体位変換器 | 原則給付の対象外 |
| 7 | 手すり | この制限の対象外 |
| 8 | スロープ | この制限の対象外 |
| 9 | 歩行器 | この制限の対象外 |
| 10 | 歩行補助つえ | この制限の対象外 |
| 11 | 認知症老人徘徊感知機器 | 原則給付の対象外 |
| 12 | 移動用リフト(つり具の部分を除く) | 原則給付の対象外 |
| 13 | 自動排泄処理装置 | 原則給付の対象外(要介護2・3も原則対象外。尿のみを自動的に吸引するものは除く) |
表は横にスクロールできます。「この制限の対象外」は、要支援・要介護1でも貸与の対象になり得るという意味で、個別に使えると判定するものではありません。
告示は、種目によって対象を絞る条件も定めています。たとえば手すりは「取付けに際し工事を伴わないものに限る」、スロープは「段差解消のためのものであって、取付けに際し工事を伴わないものに限る」とされ、移動用リフトはつり具の部分と、取付けに住宅の改修を伴うものが除かれています。
要支援・要介護1の人が使えるか
厚生労働省の案内ページには、貸与のうち手すり・スロープ・歩行器・歩行補助つえ以外の種目は、要支援と要介護1の人は原則として給付の対象外と書かれています。自動排泄処理装置は、要介護2・3の人も含めて原則対象外です。
ただし、身体の状態等によっては、要介護認定の基本調査の結果に基づく判断や、市町村への申請によって給付の対象になる場合もあるとされています。対象になるかどうかは個別の状態によるため、担当のケアマネジャーか市区町村の介護保険担当窓口で確認してください。
貸与価格の上限のしくみ
福祉用具の貸与は、平成30年10月から、商品ごとに貸与価格の上限が設けられています。厚生労働省の資料に書かれた考え方は次のとおりです。
- 上限は商品ごとに「全国平均貸与価格+1標準偏差(1SD)」。全国平均貸与価格は、公表前のおおむね3か月間の平均価格から算出します。
- 上限を超えた価格で貸与しようとする場合は、保険給付の対象外の取扱いになります。
- 上限設定等の対象になるのは、月平均100件以上の貸与件数がある商品です。
- 新商品は3か月に1度の頻度で公表し、すでに設定されている商品は3年に1度見直します(当初は1年に1度でしたが、令和3年度から3年に1度になりました)。
- 事業所の準備期間への配慮から、上限の公表は適用のおおむね6か月前に行います。
商品ごとの全国平均貸与価格と上限の一覧は、厚生労働省の福祉用具・住宅改修のページで公表されています。このページを確認した時点で公表されていた最新分は、令和9年1月から適用される新商品の一覧(令和8年7月22日更新)で、まだ適用前のものでした。上限の金額は商品ごとに異なり、公表のたびに更新されるため、このページには載せません。一覧の商品コードは変更される場合があり、変更後も上限は適用されるため、最新のコード一覧(テクノエイド協会の「福祉用具貸与 価格適正化推進 事業」のページ)と照合するよう案内されています。
貸与のときに事業者から受ける説明
厚生労働省の審議会資料(平成30年1月26日の資料抜粋)によると、平成30年10月から、運営基準の改正で福祉用具専門相談員に次のことが義務づけられました。
- 貸与しようとする商品の特徴や貸与価格に加え、その商品の全国平均貸与価格を利用者に説明すること。
- 機能や価格帯の異なる複数の商品を利用者に提示すること。
- 利用者に交付する福祉用具貸与計画書を、ケアマネジャーにも交付すること。
親のために用具を借りるときは、提示された商品と価格について、この説明を受けたかを事業者に確認する材料になります。
貸与か購入かを選べる用具
令和6年4月1日から、固定用スロープ、歩行器(歩行車は除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖は、福祉用具貸与と特定福祉用具販売のどちらかを選べる「選択制」の対象になりました。購入を選んだ場合の支給限度基準額や支給方法は特定福祉用具購入費のページで整理しています。
手すり・段差の工事は住宅改修になる
貸与の手すり・スロープは、告示で「取付けに際し工事を伴わないもの」と定められています。一方、厚生労働省の案内ページでは、「手すりの取付け」「段差の解消」が住宅改修の項目に挙げられています。住宅改修は、ケアマネジャー等が作成する理由書を添えて、施工前と施工後にそれぞれ自治体へ申請します。詳しくは介護保険の住宅改修費のページで確認できます。
総合事業の「事業対象者」との関係
要支援認定を受けずに基本チェックリストで「事業対象者」になった場合、介護予防福祉用具貸与のような予防給付のサービスを使うには、要支援認定を受ける必要があります。仕組みは基本チェックリストと事業対象者のページで整理しています。
公式根拠
このページの内容は、次の一次資料の本文で確認しました(確認日: 2026年9月21日)。
- 厚生労働省「福祉用具・住宅改修」(給付対象種目、要支援・要介護1の扱い、選択制、貸与価格の公表)
- 厚生労働大臣が定める福祉用具貸与及び介護予防福祉用具貸与に係る福祉用具の種目(平成11年厚生省告示第93号)
- 厚生労働省「福祉用具の貸与価格の上限設定の考え方」
- 社会保障審議会介護給付費分科会 第177回(令和2年6月1日)資料4「福祉用具貸与価格の上限設定について」
種目・上限・選択制の対象は改正・更新されることがあります。実際の手続きの際は、最新の公表内容と、担当のケアマネジャー・市区町村窓口で確認してください。
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