介護サービスの苦情

介護サービスへの苦情・相談の窓口と役割の違い

サービスやケアマネジャーの対応に困ったときの窓口として、事業者、市町村、都道府県、国保連、地域包括支援センターの役割の違いを、法令と国保連の研修資料で確認した内容だけで整理します。

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介護サービスやケアマネジャーの対応に困ったとき、どこに、どの順番で、何を伝えれば動いてもらえるのかを確認します。市町村、都道府県、国民健康保険団体連合会(国保連)、地域包括支援センターの役割の違いを、法令と都道府県国保連の研修資料で確認した範囲で整理します。

個別の事業者の評価や紹介、損害賠償などの法的な判断は行いません。要介護認定の結果への不服は、苦情ではなく審査請求の手続きになります。要介護認定への不服申立ての流れは別のページにあります。

最初の窓口は、サービスを提供した事業者

国の基準は、事業者に苦情の窓口を設けること、受け付けた苦情の内容を記録することを求めています。訪問介護の基準(指定居宅サービス等の基準第36条)では、利用者と家族の苦情に迅速かつ適切に対応するため、窓口を設置するなどの措置を取るとされています。

ケアマネジャーの事業所(居宅介護支援事業者)も同じです。自分が提供したケアマネジメントだけでなく、ケアプランに入れたサービスへの苦情にも対応しなければなりません。さらに、ケアプランに入れたサービスへの苦情を国保連に申し立てるときは、利用者に必要な援助をすると定められています(居宅介護支援の基準第26条)。

サービスの内容に不満があるときは、まず担当のケアマネジャーに伝えるのが、基準に沿った順番です。

窓口ごとの役割の違い

介護サービスの苦情・相談の窓口(確認日: 2026年10月9日)
窓口役割向いている場面
事業者・ケアマネジャー苦情の窓口を設け、内容を記録して対応する義務がある(基準第36条、居宅介護支援の基準第26条)まず状況を伝えて改善を求めたいとき
市町村(介護保険の窓口)介護保険の実施主体。事業者に対し調査や指導・助言ができる。居宅介護支援と地域密着型サービスの指定も市町村が行う最も身近な窓口。どこに相談するか迷うとき
都道府県居宅サービス事業者の指定を行い、報告の求めや指導、必要な場合の指定取消などの権限をもつ事業者の運営そのものに問題があるとき
国民健康保険団体連合会(国保連)介護保険法に基づき、利用者の苦情に基づいて事業者を調査し、指導・助言する(第176条第1項第3号)市町村や事業者で解決しないとき、第三者に調べてほしいとき
地域包括支援センター市町村が行う地域支援事業のなかで、総合的な相談や権利擁護の支援を行う(第115条の45第2項)どこに言えばよいか分からないとき

表は横にスクロールできます。

居宅サービスの指定は都道府県知事、居宅介護支援と地域密着型サービスの指定は市町村長が行います(介護保険法第41条・第42条の2・第46条)。事業者の種類によって、指導する側が変わることがあります。

国保連が受ける苦情と、受けられない苦情

広島県国保連の研修資料では、国保連が対応する苦情を次のように整理しています。

  • 介護保険の指定事業者が行う指定サービスであること(基準該当サービスや市町村の特別給付は対応できない)
  • 利用者の住む市町村と事業所のある市町村が違うなど、市町村をまたぐ場合
  • 権利関係が複雑で専門的な知識が必要など、市町村では扱いにくい場合
  • 申立人が国保連での処理を特に希望する場合

一方で、次のものは対応できないとされています。すでに訴訟中、または訴訟が予定されている事案、損害賠償などの責任の確定を求める事案、契約の法的な有効性に関する事案、医療に関する事案や医師の判断に関する事案です。

国保連は、申立てを受けると、内容を審査し、必要があれば事業者を調査します。そのうえで、改善すべき事項を示して事業者を指導し、結果を申立人へ通知します。申立ては原則として本人から書面で行うとされています。国保連の窓口の名称や受付方法は、都道府県ごとに違います。お住まいの都道府県の国保連のホームページで確認してください。

伝えるときの準備

事業者は苦情の内容を記録する義務があるため、伝えたあとも記録は残ります。こちらでも、次の点をメモしておくと、どの窓口でも話が早く進みます。これは条文の定めではなく、相談を進めるための実務上の工夫です。

  • いつ、どのサービスで、何があったか(日付と内容を事実の順に)
  • 事業者やケアマネジャーに、いつ誰へ伝えたか、どう返答があったか
  • どうなってほしいか(サービスの内容の改善か、担当の変更か、事実の確認か)

ケアマネジャーや事業所を変えたいときの手続きは居宅介護支援のページで確認できます。虐待が疑われる場合は、苦情ではなく通報の窓口になります。高齢者虐待の通報・相談窓口のページを見てください。

そのほかの窓口

広島県国保連の資料は、介護保険の苦情処理と関連が大きい窓口として、都道府県社会福祉協議会に置かれる運営適正化委員会(社会福祉法第83条から第86条)も挙げています。福祉サービス全般について、利用者からの苦情を解決するための機関です。

親の介護が始まったときの全体の流れは介護開始時の初動対応のページ、訪問系サービスの中身は訪問介護のページで確認できます。

公式根拠

このページの内容は、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第36条)、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(第26条)、介護保険法(第23条、第41条、第42条の2、第46条、第76条、第115条の45、第176条)、広島県国民健康保険団体連合会「介護サービスの苦情処理について」(令和3年度広島県介護サービス事業者集団指導研修)、東京都福祉局「介護保険サービスの質の向上関連情報(国保連関係)」で確認しました(確認日: 2026年10月9日)。国保連の対応範囲と受付方法は都道府県ごとに異なります。実際の申立ての前に、お住まいの都道府県の国保連と市区町村で確認してください。

よくある質問

ケアマネジャーに苦情を言ってもよいのですか

サービスへの苦情は、まずケアマネジャーに伝えるのが基準に沿った順番です。ケアマネジャー自身への不満は、その事業所の窓口か市町村に伝えられます。事業所を変える手続きも可能です。

苦情を言うと不利益になりませんか

参照した資料には、苦情を理由にした不利益な扱いについての記載がありません。不安なときは、市町村か地域包括支援センターに先に相談してください。

国保連に申し立てるのに費用はかかりますか

参照した資料では確認できていません。都道府県の国保連に確認してください。

損害賠償を求めることはできますか

国保連は、損害賠償などの責任の確定を求める事案には対応できないとされています。法的な判断が必要な場合は、法律の専門家への相談が別に必要です。

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