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養護老人ホームは、老人福祉法第11条にもとづく市町村の「措置」で入る施設です。本人や家族が施設と契約して入る介護保険の施設とは入り口が違い、入所するかどうかは市町村が決めます。
このページでは、対象になる条件、入所を決める流れ、費用の考え方を、法令と厚生労働省の通知で確認できる範囲だけ整理します。特別養護老人ホームの入所要件は特別養護老人ホームの入所要件で扱っています。施設の紹介や比較は行いません。
対象になる条件:65歳以上・環境上と経済的な理由
老人福祉法第11条第1項第1号は、市町村が採る措置として、次の人を養護老人ホームに入所させる(または入所を委託する)ことを定めています。
- 65歳以上であること
- 環境上の理由と経済的理由(政令で定めるものに限る)により、自宅で養護を受けることが困難であること
経済的理由は、老人福祉法施行令第6条が次のいずれかと定めています。
| 号 | 内容 |
|---|---|
| 第1号 | 本人の属する世帯が生活保護を受けていること |
| 第2号 | 本人と、本人の生計を維持している人の前年の所得について、市町村民税の所得割の額がないこと |
| 第3号 | 災害その他の事情により、本人の属する世帯の生活の状態が困窮していると認められること |
表は横にスクロールできます。
厚生労働省の通知(老人ホームへの入所措置等の指針)は、市町村が入所措置を行う基準として、環境上の事情の2点を挙げています。
- 健康状態:入院加療を要する病態でないこと
- 環境の状況:家族や住居の状況など、いまの環境では在宅での生活が困難と認められること
通知は、法律の「環境上の理由」は、以前の規定にあった「身体上若しくは精神上」の理由を問わない趣旨で、身体上・精神上の理由がある人を対象外にするものではないと説明しています。
入所を決める流れ:入所判定委員会と市町村長
同じ通知は、市町村長(福祉事務所を設置する市と町村では、委任を受けた福祉事務所長を含む)が、入所措置の判定のために「入所判定委員会」を置き、入所措置の開始や変更のときにその意見を聞くと定めています。
| 項目 | 通知の内容 |
|---|---|
| 委員会の構成 | 老人福祉指導主事、市町村の老人福祉担当者、保健所長、医師(精神科医を含む)、地域包括支援センター長、老人福祉施設長のそれぞれの代表者 |
| 判定の中身 | 本人の健康状態や置かれている環境の状況などを総合的に判定し、結果を市町村長に報告する |
| 委員会の代わり | 市町村が定期的に開く「市町村包括ケア会議」に、入所判定委員会の機能を持たせることができる |
| 緊急の場合 | 高齢者虐待防止法第9条により、虐待で生命や身体に重大な危険が生じているおそれがある高齢者を一時的に保護する場合は、委員会の開催を待たずに入所措置ができる |
つまり、本人や家族が希望の施設に直接申し込んで決まる仕組みではありません。相談の入り口は、お住まいの市区町村の高齢者福祉担当課、または福祉事務所です。通知の文面は市町村向けで、申請書の様式や提出書類は通知では定められていません。市町村ごとに異なるため、窓口で確認します。
費用:負担能力に応じた徴収
老人福祉法第28条第1項は、措置にかかった費用について、市町村長が、措置を受けた本人またはその扶養義務者から、負担能力に応じて費用の全部または一部を徴収できると定めています。具体的な徴収額の決め方は、このページでは扱いません。市町村の担当課で確認してください。
特別養護老人ホームとの違い
老人福祉法第11条には、特別養護老人ホームへの措置入所も定められています(第1項第2号)。ただし通知によると、この措置は、介護保険の介護老人福祉施設に入ることが「やむを得ない事由」で著しく困難なときに限られます。たとえば、高齢者虐待から保護する必要がある場合などが想定されています。通常の入所は、介護保険の仕組みで特別養護老人ホームの入所要件を確認することになります。
法第20条の4は、養護老人ホームを、措置を受けた人を入所させて養護し、自立した日常生活を営み社会的活動に参加するために必要な指導や訓練などの援助を行う施設としています。
家族が最初にすること
- 親の住民票のある市区町村の高齢者福祉担当課、または福祉事務所に、養護老人ホームの措置入所の相談をしたいと伝えます。
- 必要な書類や手続きは市町村ごとに異なるため、窓口で何を用意するか確認します。
- 要介護認定の申請がまだなら、並行して要介護認定の申請を進めます。身近な相談先は申出先と相談窓口に整理しています。
- 虐待が疑われるときは高齢者虐待の通報・相談窓口を先に確認します。
よくある質問
要介護認定を受けていないと、養護老人ホームには入れませんか
法律の条件は、65歳以上で環境上の理由と経済的理由があることです。要介護認定は条件に入っていません。通知の基準は、入院加療を要する病態でないことを求めています。
家族が希望すれば入所できますか
入所の要否は市町村が判定し、市町村長が措置を決めます。家族の希望だけでは決まりません。
年金収入があると対象外になりますか
政令の経済的理由は、生活保護を受けている世帯、住民税の所得割がない、災害などで困窮している、のいずれかです。個別に当てはまるかどうかは、市区町村の担当課で確認してください。
公式根拠
- e-Gov法令検索 老人福祉法 第11条(措置)、第20条の4(養護老人ホーム)、第28条(費用の徴収)
- e-Gov法令検索 老人福祉法施行令 第6条(政令で定める経済的理由)
- 厚生労働省 老人ホームへの入所措置等の指針について(平成18年3月31日老発第0331028号)
確認日: 2026年10月9日。実際の入所の可否や費用は、お住まいの市区町村の高齢者福祉担当課(福祉事務所)へご確認ください。
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