障害のある家族がいる場合

65歳になった障害のある人の障害福祉サービスと介護保険

障害福祉サービスを使っている家族が65歳になったとき、介護保険との関係がどうなるかを、障害者総合支援法と厚生労働省の事務連絡で確認します。

このページで確認すること

障害福祉サービスを使っている人が65歳になると、同じ内容の介護保険サービスがある場合は、介護保険が優先されます。ただし、介護保険だけに切り替わるわけではありません。厚生労働省は、介護保険が優先されることが介護保険のみの利用に制限されるという誤解を与えないよう、障害福祉サービスの支給が可能な場合を案内することを市町村に求めています。個別にどのサービスが使えるかの判断は行いません。

介護保険が優先される根拠

障害者総合支援法の第7条は、介護保険法の介護給付など、自立支援給付に相当するものを受けたり利用したりできるときは、政令で定める限度で、自立支援給付を行わないと定めています。これが「介護保険優先」と呼ばれる考え方の条文です。条文は、介護保険のサービスに相当するものがある範囲での調整です。障害福祉サービスが一律に終わるという定めではありません。

65歳以降も障害福祉サービスで使えるもの

厚生労働省の令和5年6月30日の事務連絡は、次の場合に障害福祉の給付を支給できるとしています。

  • 障害福祉に固有のサービス: 就労系障害福祉サービスと自立訓練(生活訓練)は障害固有のサービスで、65歳以降も介護保険サービスに移行せず、それぞれの支給決定の要件の範囲内で引き続き使えます。
  • 介護保険の給付が受けられない場合: 申請したサービスに相当する介護保険サービスがあっても、保険給付が受けられないときは、介護給付費等を支給するなど、適切に運用するとされています。
  • 介護保険サービスの量や内容では足りない場合: 支給量・内容では十分なサービスが受けられないときも、同様に介護給付費等を支給するなどとされています。

事務連絡の具体的な運用例には、訪問介護の支給限度額で足りない分を、居宅介護や重度訪問介護で認める例が挙がっています。ここが「上乗せ」と呼ばれる使い方です。事務連絡は、要介護度や障害支援区分が一定以上であることなどの画一的な基準だけで判断するのは適切ではないとし、個々の障害特性を考えて必要な支援が受けられるかを検討するよう求めています。

自治体による違い

上乗せの具体的な運用は、市町村が行う支給決定です。札幌市の資料では、居宅介護・重度訪問介護は要介護1〜5なら上乗せで支給決定するのが原則、要支援1〜2は原則として上乗せしない、とされています。これは札幌市の運用の例で、全国一律の決まりとして書いたものではありません。親や家族の住所地の市区町村の障害福祉の窓口で、どの場合に上乗せが認められるかを確認してください。

自己負担の配慮

障害福祉サービスの利用者負担と、介護保険の利用者負担は、仕組みが違います。障害者総合支援法の第76条の2は、次に当たる人に、高額障害福祉サービス等給付費を支給する仕組みを定めています。

  • 65歳に達する前に長期間にわたり、障害福祉サービスの支給決定を受けていた人
  • 65歳以降、介護保険の相当するサービスを使っている人
  • 所得の状況や障害の程度などで、政令が定める要件に当たる人

介護保険サービスの利用者負担が、この給付で払い戻される場合があるという仕組みです。政令が定める所得などの具体的な要件は、このページでは確認していません。厚生労働省は市町村に、この制度の概要を丁寧に説明し、対象になりうる人へ個別に通知することが望ましいとしています。対象かどうかは、障害福祉の窓口で確認してください。

申請の時期と相談先

要介護認定の申請は、65歳の到達日(誕生日の前日)の3か月前以内に受け付けて、到達日に認定するという運用が可能とされています。厚生労働省は、申請から認定結果の通知までの期間を考えて、65歳より前の適切な時期から市町村が案内するよう求めています。

障害福祉サービスの利用計画を作る相談支援専門員は、介護保険制度の案内を行います。本人の了解を得て、利用する居宅介護支援事業所に利用者の状態や障害福祉サービスの利用状況を引き継ぎます。介護保険の利用開始後も、サービス担当者会議などで、介護支援専門員(ケアマネジャー)と情報を共有するとされています。

家族ができる準備

  1. 65歳になる1年ほど前から、担当の相談支援専門員か市区町村の障害福祉の窓口に、65歳以降の手続きを尋ねます。
  2. 今使っている障害福祉サービスのうち、就労系・自立訓練(生活訓練)など介護保険に移らないものがないか確認します。
  3. 訪問系のサービスは、介護保険のサービス量で足りるか、上乗せが必要かを、ケアマネジャーと相談支援専門員の両方に伝えます。
  4. 自己負担の払い戻しの対象になるかを、障害福祉の窓口で確認します。

介護保険の仕組みそのものは40歳からの介護保険のページで、サービスの使い始めは居宅介護支援のページで確認できます。訪問介護の内容は訪問介護のページです。税の障害者控除は別の制度で、障害者控除対象者認定書のページにあります。

未確認のまま扱っている事項

  • 2007年(平成19年)3月28日の適用関係通知の原本は取得できていません。サービスごとの細かい扱いは、上の事務連絡と札幌市の資料の範囲で書いています。
  • 高額障害福祉サービス等給付費の、政令が定める所得や障害支援区分の要件は確認していません。
  • 介護保険の第2号被保険者(40〜64歳)の障害のある人の扱いは確認していません。
  • お住まいの市区町村ごとの上乗せの基準は、札幌市の例を除き確認していません。

公式根拠

確認日: 2026年10月9日。個別の相談の代行・サービスの紹介は行いません。実際の支給決定は、お住まいの市区町村の障害福祉の窓口、相談支援専門員、担当のケアマネジャーでご確認ください。

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