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市町村特別給付は、介護保険法が定める3種類目の保険給付で、市町村が条例で定めたときだけ行われます。どの市町村にもある給付ではありません。
このページは、制度の位置づけと調べ方を扱います。親の住む市区町村に具体的にどのサービスがあるか、使えるかどうかは判定しません。
法律上の位置づけ
介護保険法第18条は、保険給付を次の3つに分けています。
- 介護給付(要介護状態に関する給付)
- 予防給付(要支援状態に関する給付)
- 市町村特別給付(要介護状態等の軽減または悪化の防止に資する給付として、条例で定めるもの)
第62条は、市町村が要介護被保険者・居宅要支援被保険者に対し、介護給付・予防給付のほか、条例で定めるところにより市町村特別給付を行うことができると定めています。「行うことができる」という書き方なので、行うかどうかは市町村が決めます。
上乗せと横出しの違い
| 呼び方 | 内容 | 法律上の根拠 |
|---|---|---|
| 上乗せ | 在宅サービスの支給限度額(利用できる量の上限)を、国の基準より高く設定する | 第43条第3項。市町村は条例で、国の基準額に代えて、それを超える額を支給限度基準額にできます |
| 横出し | 介護保険の標準メニューにないサービスを、市町村独自の給付として追加する | 第18条第3号・第62条(市町村特別給付) |
「上乗せ」「横出し」は一般的な呼び名で、条文にはこの言葉は出てきません。条文の根拠は右の列のとおりです。
どちらも、市町村が条例で定めた場合に限られます。条例がない市町村では、国の基準どおりの給付になります。
介護保険の給付ではない自治体の事業との違い
配食、見守り、移送、紙おむつの支給などの名前で、自治体が独自に出しているサービスは、すべてが市町村特別給付というわけではありません。介護保険とは別に、高齢者福祉の事業として市区町村の予算で行われているものも多くあります。
たとえば緊急通報システムや日常生活用具の給付は、介護保険ではなく市区町村の高齢者福祉の事業として行われる例があります。具体例は一人暮らしの親の緊急通報・見守りサービスで、二つの市の公式資料をもとに整理しています。
見分けが必要なのは、対象者や費用の決まり方が変わるためです。介護保険の給付なら、要介護認定を受けていることが前提になります。介護保険とは別の事業なら、認定がなくても使える場合があります。ただし、どちらの仕組みかは親の住む自治体の資料でしか確認できません。
親の住む市区町村での調べ方
- 親の住民票のある市区町村名と「高齢者福祉」「介護保険」で、自治体の公式サイトを探す
- 「高齢者福祉ガイドブック」「介護保険のしおり」などの冊子や、PDFがないか確認する
- 「市町村特別給付」「介護保険条例」で検索し、自治体独自の給付があるか確認する(なければ、独自の給付は行っていない可能性があります)
- 配食、移送、紙おむつなどの語で、介護保険以外の高齢者福祉事業も探す
- 見つからない、または対象かわからないときは、親の住所を担当する地域包括支援センターか、市区町村の介護保険・高齢福祉の担当課に電話で聞く
聞くときは、「介護保険の給付か、それ以外の福祉事業か」「対象は要介護認定を受けた人か」「申請は購入や利用の前に必要か」「費用と自己負担」の4点を確認すると、比べ間違いを防げます。
地域包括支援センターに何を相談するかは介護開始時の初動対応、離れて暮らす親の準備全体は遠距離介護の準備で扱っています。
よくある質問
市町村特別給付はどの市町村にもありますか
ありません。第62条は「条例で定めるところにより、行うことができる」としており、条例を定めた市町村だけが行います。
上乗せや横出しがあると、保険料も変わりますか
このページでは確認できていません。保険料の決め方は第129条に定めがあり、親の自治体の保険料の仕組みは保険料基準額と段階で扱っています。特別給付と保険料の関係は、親の自治体の介護保険事業計画や担当課の説明で確認してください。
自治体の独自サービスは、施設やサービスの比較に使えますか
このサイトは、サービスや施設の比較・紹介はしていません。親の自治体にどんな制度があるかを調べる入口として使ってください。
公式根拠
以下の条文で確認しました(確認日: 2026年10月11日)。
- 介護保険法(e-Gov法令検索)第18条(保険給付の種類)・第43条第3項(支給限度額の条例による上乗せ)・第62条(市町村特別給付)・第129条(保険料)