このページで確認する こと
小規模宅地等の特例は、亡くなった人が住んでいた土地などの相続税の評価額を減らす制度です。親が老人ホームに入所していた場合の扱いは、国税庁のタックスアンサー No.4124 の注記に書かれています。自分の家族が対象になるか、相続税がいくらになるかといった個別の判断は、このページでは行いません。
この特例は、親が亡くなって相続が始まったあとの話です。
特例の概要と減額割合
| 宅地等の区分 | 限度面積 | 減額割合 |
|---|---|---|
| 被相続人等の居住の用に供されていた宅地等(特定居住用宅地等) | 330㎡ | 80% |
| 特定事業用宅地等・特定同族会社事業用宅地等 | 400㎡ | 80% |
| 貸付事業用宅地等 | 200㎡ | 50% |
表は横にスクロールできます。複数の区分を併用するときの面積の計算は、国税庁のページに算式があります。このページでは扱いません。
老人ホームに入所していた場合の扱い
居住用の特例は、相続開始の直前に被相続人が住んでいた宅地等が対象です。ただし No.4124 の注記には、次の趣旨が書かれています。
- 認定: 要介護認定または要支援認定を受けていた被相続人が、老人ホーム等に入居・入所していたこと。
- 入所先: 認知症対応型共同生活援助(グループホーム)、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、サービス付き高齢者向け住宅など。
- 扱い: 相続開始の直前に自宅に住んでいなくても、住まなくなる直前の居住の用を「被相続人の居住の用」に含めます。
- 含まれない場合: 住まなくなったあとに、事業の用、または被相続人等以外の人の新たな居住の用に供された場合。
このほか、障害支援区分の認定を受けて障害者支援施設などに入所していた場合も、同じ注記に書かれています。
土地を取得する人ごとの要件
老人ホーム入所の扱いに当たる場合でも、土地を相続する人が次のいずれかの要件を満たす必要があります(No.4124 の特定居住用宅地等の要件)。
- 配偶者: 取得者ごとの要件はありません。
- 被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物に住んでいた親族: 相続開始の直前から相続税の申告期限まで引き続きその建物に住み、土地を申告期限まで持っていること。
- 上記以外の親族: 被相続人に配偶者がいないこと、同居の相続人がいないこと、相続開始前3年以内に自分や配偶者などの所有する家屋に住んだことがないこと、土地を申告期限まで持っていることなど、(1)から(6)の要件をすべて満たすこと。
別居の子が取得する場合は3つ目に当たりますが、要件の一つひとつに細かい条件があります。当てはまるかは、税務署または税理士に確認してください。
空き家特例との違い
| 項目 | 小規模宅地等の特例 | 空き家特例 |
|---|---|---|
| 税目 | 相続税(土地の評価を減らす) | 所得税(売ったときの譲渡所得から控除) |
| 国税庁の説明 | No.4124 | No.3306・No.3307 |
| 老人ホーム入所の扱い | 入所前の居住の用を含める | 入所前まで住んでいた家屋を対象にする |
空き家特例の要件と市区町村の確認書は、老人ホームに入った親の実家を売るときの空き家特例のページで確認できます。2つの特例を併用できるかは、国税庁の資料で確認できていません。
未確認のまま扱っている 事項
- 特例を使うための申告の手続き、遺産分割が済んでいない場合の扱いは確認していません。
- 2つ以上の宅地等があるときの選び方、併用時の面積計算は、このページでは扱いません。
- 空き家特例との併用の可否は確認していません。
- 個別の自宅が要件に当たるか、相続税がいくらになるかは判断しません。
よくある質問
Q. 親が老人ホームに入所していても、自宅の土地は小規模宅地等の特例の対象になりますか。
国税庁のタックスアンサー No.4124 では、要介護認定または要支援認定を受けていた被相続人が老人ホーム等に入所し、相続開始の直前に自宅に住んでいなかった場合でも、入所前の居住の用を被相続人の居住の用に含めるとされています。ただし、住まなくなったあとに事業の用や、被相続人等以外の人の新たな居住の用に供された場合は含まれません。個別に当たるかは税務署または税理士に確認してください。
Q. 居住用の土地は、どれだけ評価が減りますか。
No.4124 では、特定居住用宅地等は限度面積330㎡まで、減額割合は80%とされています。
Q. 空き家特例とは何が違いますか。
小規模宅地等の特例は相続税の課税価格を減らす特例で、空き家特例は実家を売ったときの譲渡所得から控除する所得税の特例です。税目と要件が別で、国税庁のタックスアンサーも別の番号(No.4124 と No.3306)で説明しています。
入所先の種類は介護保険施設の違いのページ、費用は老人ホームの費用のページ、介護費用の立て替えと贈与税は立て替えと贈与税のページで確認できます。
公式根拠
- 国税庁 タックスアンサー No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
- 国税庁 タックスアンサー No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
確認日: 2026年10月13日(いずれも令和8年4月1日現在法令等の記載)。個別の税額の試算や、特例が使えるかの判断は行いません。実際の取扱いは、税務署または税理士にご確認ください。
← 自分の準備状況へ戻る