介護のためのテレワーク等の措置

介護のためのテレワーク等の措置(事業主の努力義務)

令和7年4月から、介護をする労働者が在宅勤務等を選べる措置を講ずることが、事業主の努力義務になりました。対象になる人、措置の中身、申し出る前に会社の規程で確かめる点、会社に制度がないときの選択肢を、条文と厚生労働省の資料で確認します。

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介護中の在宅勤務(テレワーク)について、会社に求められている内容、対象になる人、申し出る前に確かめる点、会社に制度がないときの選択肢の四つを確認します。休業や休暇など請求できる制度は別の制度です。6制度の全体像は仕事と介護の両立支援制度6種類の違い、短時間勤務やフレックスなどの措置は介護のための所定労働時間の短縮等の措置で扱います。

在宅勤務を「請求できる」制度ではありません。

育児・介護休業法は、介護をする労働者が在宅勤務等を選べるようにする措置を、事業主の努力義務としています。会社に実施を強く求められる義務や、労働者が請求すれば必ず認められる権利ではありません。

会社に求められている措置の中身

条文(育児・介護休業法第24条第4項)は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者で介護休業をしていない人について、「労働者の申出に基づく在宅勤務等をさせることにより、就業しつつ介護することを容易にするための措置を講ずるように努めなければならない」と定めています。令和7年(2025年)4月1日に施行されました。

介護のためのテレワーク等の措置の要点(確認日: 2026年10月11日)
項目厚生労働省の資料の説明
法的な強さ事業主の努力義務(第24条第4項)
措置の内容労働者の申出に基づき、在宅勤務等ができるようにする措置。法令上、内容や頻度等の基準は設けられていない
実施する場所自宅を基本とし、自宅に準ずるものとして就業規則などで定める場所(サテライトオフィス等)を含む。情報通信技術を使う業務に限らない
設けられた趣旨通勤時間の削減や、介護を必要とする家族が遠隔地に住んでいる場合に、家族の家から業務を行うことなどで、仕事と介護の両立を容易にする

「週何日」「月何日」の最低基準は、介護のテレワークには定められていません。3歳から小学校就学前の子を養育する労働者への措置(令和7年10月施行)には「月10日以上」の基準がありますが、これは子の養育向けの別の制度で、介護には当てはまりません。

対象になる人

  • 要介護状態にある対象家族を介護する労働者です。要介護状態は「2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」で、要介護認定の有無だけでは決まりません。対象家族の範囲は介護休業の申出の手順にまとめています。
  • 介護休業をしていない人が対象です。現に介護休業をしている間は対象外ですが、介護休業をしたことがあっても、現に休業していなければ対象に含まれます。休業から復帰したあとに、同じ家族の介護についてテレワークの措置を受けることも可能です。
  • 会社が対象者を限定することは認められています。事業所内でテレワークができない職種がある場合、その職種の人を対象から外せます。ただし、対象を男女どちらか一方に限定するなど、法の趣旨に反する内容にはできません。
  • テレワークが難しい業務の人を、テレワークできる職種へ配置転換したり、テレワークできる職種を新設したりすることまで、事業主に求める制度ではありません。

申し出る前に確かめる点

条文は「労働者の申出に基づく」措置としており、申出の様式や期限は、確認した条文と厚生労働省の資料に定めが見当たりません。会社に制度がある場合は、就業規則(育児・介護休業規程)やテレワーク規程で次の点を確かめます。

  1. 介護中の人が使える在宅勤務の定めがあるか。一般のテレワーク規程とは別に、介護向けの定めがあるかを見ます。
  2. 使える日数や頻度、対象の職種。基準が法令にないため、会社ごとに違います。
  3. 実施できる場所。自宅だけか、サテライトオフィスや、離れて住む親の家で働くことが認められるかを確かめます。遠距離の場合は遠距離介護の準備も手がかりになります。
  4. 申出の方法と、承認する人。上司への相談か、人事への書面申請かを確かめます。
  5. 通勤手当・労働時間の把握・健康面の面談の扱い。このページは賃金や手当の取り扱いを定めていません。

厚生労働省の資料は、在宅勤務等の措置を講ずる際に、夜間の勤務や長時間労働で心身に不調が出ないよう事業主が配慮することが望ましいとしています。「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」に沿った労務管理や、面談で健康状態を把握することが例に挙げられています。

会社に制度が整っていないとき

努力義務なので、制度がなくても、直ちに法律に反するとは限りません。次の順で考えます。

  • 請求すれば認められる制度を先に確認します。介護休暇、所定外労働の制限(残業免除)、時間外労働の制限、深夜業の制限は、条件を満たせば請求できます。会社が1つ以上を設ける義務のある短縮等の措置(短時間勤務・フレックス・時差出勤など)も、在宅勤務とは別に確かめられます。
  • 人事や上司に、介護の状況と必要な働き方を伝えます。介護に直面したと申し出た労働者に、会社は両立支援制度を個別に知らせ、意向を確認することが義務になっています。確認の方法は会社が介護で守る義務の確認項目にあります。
  • 相談先は都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。会社との話し合いが進まないときの相談窓口は介護休業を巡るトラブルの相談先で確認できます。

在宅勤務の申出をしたことを理由に不利益に扱われないかは、不利益取扱いの禁止とハラスメント防止措置で、禁止されている範囲を確認できます。このページは、在宅勤務等の申出そのものが不利益取扱いの禁止の対象に含まれるかを断定していません。

未確認のまま扱っている事項

  • 在宅勤務の申出の様式・期限は、確認した資料に定めが見当たらず、断定していません。
  • テレワーク中の賃金・通勤手当・労働時間の管理の個別の扱いは扱っていません。
  • 会社の導入を後押しする助成金は、事業主向けの制度のため扱っていません。

よくある質問

Q. 介護のために在宅勤務を申し出れば、会社は必ず認めますか。

必ず認めるとは限りません。育児・介護休業法第24条第4項は、介護をする労働者が在宅勤務等を選べる措置を講ずることを事業主の努力義務としており、労働者が請求して認められる権利ではありません。会社の規程で、介護向けの在宅勤務があるかを確かめます。

Q. 介護休業を取っている間も、この措置は受けられますか。

受けられません。対象は「介護休業をしていない」労働者で、現に介護休業をしている間は対象外です。介護休業をしたことがあっても、現に休業していなければ対象に含まれます。

Q. 在宅勤務は月に何日まで使えますか。

法令に日数や頻度の基準はなく、会社ごとに決まります。3歳から小学校就学前の子を養育する労働者への「月10日以上」という基準は、子の養育向けの別の制度で、介護には当てはまりません。

Q. 会社が職種を限って対象にすることはできますか。

できます。厚生労働省の資料は、事業所内でテレワークができない職種がある場合に、対象者を限定することを認めています。ただし、対象を男女どちらか一方に限るなど、法の趣旨に反する内容は認められません。

Q. 離れて住む親の家で、在宅勤務として働けますか。

厚生労働省の資料は、この努力義務の趣旨の一つに、介護を必要とする家族が遠隔地に住んでいる場合に家族の家から業務を行うことを挙げています。実際に認められる場所は、会社の規程で自宅に準ずる場所として定められているかによります。

公式根拠

確認日: 2026年10月11日。個別の会社の規程や、申出の可否の判断は行いません。勤務先の人事担当者、または都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へご確認ください。

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