このページで終える確認
育児・介護休業法の改正は、2025年4月1日から段階的に施行されています(厚生労働省の育児・介護休業法のページ)。このページでは、介護に関する次の3つについて、会社が何をしなければならないかを確かめます。
- 雇用環境の整備(第22条第2項・第4項)。介護休業や両立支援制度の申出がしやすい職場にする措置
- 個別の周知と意向確認(第21条第4項)。家族が介護を必要とする状況になったと申し出たときの対応
- 40歳の情報提供(第21条第5項)。40歳になった年度などに制度を知らせる義務。詳しくは40歳からの介護保険のページにあります
雇用環境の整備:会社が選ぶ措置は4種類
第22条第2項と第4項は、介護休業の申出と、介護休暇などの介護両立支援制度の利用の申出が円滑に行われるよう、会社に次の各号のいずれかの措置を講じるよう求めています。
| 措置 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 研修の実施 | その雇用する労働者に対する、介護休業・両立支援制度に係る研修 | 法第22条第2項第1号・第4項第1号 |
| 相談体制の整備 | 介護休業・両立支援制度に関する相談体制 | 同項第2号 |
| 事例の収集と提供 | 労働者の介護休業の取得・両立支援制度の利用に関する事例を集め、労働者に提供する | 施行規則第71条の3・第71条の4(第71条の2第1号を読み替え) |
| 方針の周知 | 介護休業・両立支援制度に関する制度と、取得・利用の促進に関する方針を、労働者に周知する | 同上(第71条の2第2号を読み替え) |
表は横にスクロールできます。
条文は「いずれかの措置」としているため、4種類すべてを整えることまでは求めていません。自分の会社がどの措置をとっているかは、社内の周知、研修の案内、相談窓口の掲示などで確認できます。
個別周知と意向確認:家族が介護を必要とする状況になったと申し出たとき
第21条第4項は、労働者が「対象家族が介護を必要とする状況に至ったこと」を申し出たとき、会社が次の2つをしなければならないと定めています。
- 介護休業に関する制度、介護両立支援制度等、その他の事項を知らせる(個別周知)
- 介護休業申出と、介護両立支援制度等の利用の申出についての意向を、面談その他の措置で確認する(意向確認)
会社が知らせなければならない事項
施行規則第69条の10は、次の3つを定めています。
- 介護休業に関する制度と、次の「介護両立支援制度等」(施行規則第69条の9):介護休暇、所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限、介護のための所定労働時間の短縮等の措置
- 介護休業申出と介護両立支援制度等申出の申出先
- 雇用保険の介護休業給付金に関すること(介護休業給付金のページ)
知らせ方と確認の方法
施行規則第69条の11は第69条の5を準用しており、措置は次のいずれかです。
- 面談
- 書面の交付
- ファクシミリでの送信(労働者が希望する場合に限る)
- 電子メール等の送信(労働者が希望し、記録を出力して書面を作成できるものに限る)
ファクシミリと電子メール等は、労働者が希望する場合に限られます。会社が一方的にメールだけで済ませることは、この条文の形では認められていません。
第21条第6項は、労働者が第21条第4項の申出をしたことなどを理由に、解雇その他の不利益な取扱いをしてはならないと定めています。
40歳の情報提供:労働者の申出がなくても会社が知らせる
第21条第5項は、労働者が40歳に達した日の属する年度などの期間の始期に達したとき、会社が当該期間内に制度の情報を知らせなければならないと定めています。期間は次のどちらかです(施行規則第69条の13)。
- 40歳に達した日の属する年度の初日から末日まで
- 40歳に達した日の翌日から1年間
知らせる事項は、個別周知と同じ3つです(施行規則第69条の12)。方法は、面談、書面の交付、ファクシミリ、電子メール等のいずれかで、こちらは労働者の希望を要件としていません(同第69条の14)。
自分の会社に確かめる項目
次の項目は、条文の内容を、社内で確かめられる形に言い換えたものです。会社の対応が適法かどうかを判断するものではありません。
- 介護の研修、相談窓口、取得事例の紹介、制度と促進方針の周知のうち、少なくとも1つが社内にあるか
- 家族の介護が必要になったと伝えたとき、制度の説明を誰がするか(人事・総務などの担当部署)
- 説明の内容に、介護休業・介護休暇・時間外や深夜業の制限・短時間勤務等、申出先、介護休業給付金が含まれているか
- 説明は面談か書面で受けられるか。メールやファクシミリでの連絡を希望する場合に応じてもらえるか
- 40歳になった年度などに、会社から制度の案内を受けたか
申出書の書き方と時期は介護休業・介護休暇の申出の手順、申出先の部署は申出先と相談窓口、制度の中身は両立支援制度のページで確認できます。
足りないと感じたときの相談先
会社の対応に疑問があるときは、まず人事・総務などの担当部署に確認します。解決しないときの相談先は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です(厚生労働省の育児・介護休業法のページ)。第52条の4は、都道府県労働局長が、紛争の当事者の双方または一方から解決の援助を求められたとき、必要な助言、指導または勧告をすることができると定めています。手続きと注意点は介護休業を巡るトラブルの相談先で確認できます。
よくある質問
会社の相談窓口や研修がまだ無いのは違法ですか
第22条第2項・第4項は、研修、相談体制、事例提供、方針周知のいずれかを講じるよう求めています。1つも講じていない場合は条文の義務に当たりますが、個別の会社が適法かどうかの判断はできません。気になるときは都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談してください。
要介護認定を受けていなくても、個別周知の対象になりますか
第21条第4項の申出は「対象家族が介護を必要とする状況に至ったこと」であり、条文は要介護認定を受けていることを要件にしていません。
メールだけで説明を済まされました。問題ありませんか
施行規則第69条の5の準用により、ファクシミリや電子メール等は労働者が希望する場合に限られます。希望していないのにメールだけで済まされた場合の扱いは、会社の担当部署か都道府県労働局に確認してください。
40歳の情報提供と、介護に直面したときの個別周知は何が違いますか
40歳の情報提供は、労働者の申出がなくても会社が40歳の年度などに知らせる義務です。個別周知は、家族が介護を必要とする状況になったと労働者が申し出たときに、会社が知らせて意向を確認する義務です。
公式根拠
- e-Gov法令検索 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第21条第4項から第6項、第22条第2項・第4項、第52条の4
- e-Gov法令検索 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則 第69条の5・第69条の9から第69条の14、第71条の2から第71条の4
- 厚生労働省 育児・介護休業法について(改正の段階的な施行、企業向け支援ツール)
- 厚生労働省 仕事と家庭の両立支援(相談窓口は都道府県労働局雇用環境・均等部(室))
確認日: 2026年10月8日。会社の個別の対応が法律に適合しているかの判断は行いません。
← 自分の準備状況へ戻る