介護のための所定労働時間の短縮等の措置

介護のための所定労働時間の短縮等の措置(短時間勤務・フレックス・時差出勤)

育児・介護休業法は、介護をする労働者のために、短時間勤務・フレックスタイム・時差出勤・介護サービス費用の助成などのうち、会社が1つ以上を設けることを義務づけています。対象になる人、利用できる期間と回数、自分の会社で何が用意されているかを就業規則で確かめる点を、条文と厚生労働省の公式ページで確認します。

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会社に用意が義務づけられている措置の種類、対象になる人、利用できる期間と回数、就業規則で確かめる点の四つを確認します。休業の制度(介護休業・介護休暇)や、残業免除などの請求できる制度は別の制度なので、6制度の全体像は仕事と介護の両立支援制度6種類の違い、休業の申出の手順は介護休業の申出の手順で扱います。

「請求すれば必ず時短になる」制度ではありません。

この措置は、会社が複数の選択肢のうち1つ以上を設けることを求める制度です。短時間勤務が用意されているとは限らず、フレックスタイムや時差出勤だけの会社も、介護サービス費用の助成だけの会社もあります。

会社が選んで設ける措置の種類

厚生労働省の公式ページは、事業主が次のうちいずれか1つ以上の制度を設ける必要があると説明しています。

介護のための所定労働時間の短縮等の措置の種類(確認日: 2026年10月10日)
区分内容
短時間勤務制度1日の所定労働時間を短縮する/週または月の所定労働時間を短縮する/週または月の所定労働日数を短縮する(隔日勤務や特定の曜日のみの勤務等)/労働者が個々に勤務しない日または時間を請求することを認める
フレックスタイム制度始業・終業の時刻を労働者が決められる制度
時差出勤の制度始業または終業の時刻を繰り上げ、または繰り下げる
介護サービスの費用の助成労働者が利用する介護サービスの費用を助成する
その他これに準ずる制度上の区分に準ずるもの

条文(育児・介護休業法第23条第3項)は、この措置を「労働者の申出に基づく連続する三年の期間以上の期間における所定労働時間の短縮その他の当該労働者が就業しつつその要介護状態にある対象家族を介護することを容易にするための措置」と定めています。短時間勤務が用意されていない会社でも、法律上は時差出勤や費用の助成だけで足りることがあります。

対象になる人と、対象外になる場合

対象は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者で、介護休業をしていない人です(第23条第3項)。厚生労働省の公式ページは、対象を「対象家族を介護する男女の労働者(日々雇用を除く)」としています。介護休業を取っている間はこの措置の対象になりません。

  • 要介護状態は、負傷・疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態で、介護休業と同じ定義です。要介護認定の有無で決まるものではありません。判断の考え方は両立支援制度のページのよくある質問にあります。
  • 対象家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母です。
  • 労使協定で対象外にできる人は、継続雇用1年未満の労働者と、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者です。労使協定は、過半数で組織する労働組合(無ければ過半数を代表する者)と事業主との書面による協定です。

利用できる期間と回数

厚生労働省の公式ページは、利用期間と回数を「対象家族1人につき、利用開始の日から連続する3年以上の期間で2回以上」と示しています。介護費用の助成措置は1回とすることができます。

期間の数え方は条文が定めています。3年は、利用を開始する日として労働者が申し出た日から数えます(第23条第4項)。介護休業のように「通算93日」を使い切る仕組みとは別の数え方なので、介護休業の残り日数とは別に考えます。

対象家族が2人いる場合の扱いは、公式ページの「対象家族1人につき」という表記までを確認しており、期間が家族ごとに別に数えられるかどうかの細かな運用は、このページでは断定しません。

自分の会社で確かめる項目

どの措置が用意されているかは会社ごとに違います。厚生労働省のパンフレットでは、介護のための所定労働時間の短縮措置を含む制度等は「就業規則にて措置が講じられていることが必要」と注記されています。申し出る前に、次の点を確かめます。

  1. 就業規則(育児・介護休業規程)に、介護のための短縮措置の定めがあるか。どの措置(短時間勤務・フレックス・時差出勤・費用助成)が書かれているかを見ます。
  2. 1日何時間、または週何日まで短縮できるか。短時間勤務の場合の勤務時間の選択肢、始業・終業の繰上げ・繰下げの幅を確かめます。
  3. 申出の方法と、どのくらい前に申し出るか。公式ページには申出の期限の定めが見当たらないため、会社の規程で確かめます。
  4. 自分が労使協定の対象外にされていないか。継続雇用1年未満、週の所定労働日数2日以下に当たる場合は、会社が措置の対象外にしていることがあります。
  5. 短縮した分の賃金の扱い。賃金や賞与・評価への反映は会社の規程によります。このページは賃金の取り扱いを定めていません。

規程の場所や、会社の相談窓口が分からないときは、会社が介護で守る義務の確認項目の個別周知・意向確認の項目が手がかりになります。

短縮措置を申し出たことで不利に扱われないか

条文は、短縮措置の申出をしたこと、または措置が講じられたことを理由とする解雇その他の不利益な取扱いを禁止しています(第23条の2)。申出が受け付けられない、不利益な取扱いを受けたといった場合の考え方は不利益取扱いの禁止とハラスメント防止措置、相談先は介護休業を巡るトラブルの相談先で確認できます。

未確認のまま扱っている事項

  • 申出の期限や様式は、確認した厚生労働省の公式ページに定めが見当たらず、断定していません。会社の規程で確かめてください。
  • 短縮した期間の賃金・社会保険料・給付金への影響は扱っていません。
  • 対象家族が複数いる場合の期間の数え方の細かな運用は扱っていません。

よくある質問

Q. 介護のために時短勤務を請求すれば、必ず認められますか。

認められるとは限りません。会社は、短時間勤務・フレックスタイム・時差出勤・介護サービス費用の助成などのうち、いずれか1つ以上を設ける義務があり、短時間勤務が用意されていない会社もあります。まず就業規則で、どの措置があるかを確かめます。

Q. 介護休業をしている間も、この措置は使えますか。

使えません。対象は「介護休業をしていない労働者」と条文(育児・介護休業法第23条第3項)にあります。休業を終えて復帰したあとの働き方を変える措置として使います。

Q. 利用できる期間は、どう数えますか。

対象家族1人につき、利用開始の日から連続する3年以上の期間で、2回以上利用できます。3年は、利用を開始する日として申し出た日から数えます(第23条第4項)。介護費用の助成措置は1回とすることができます。

Q. 勤めて1年未満でも使えますか。

会社が労使協定を結んでいる場合は、継続雇用1年未満の労働者と、週の所定労働日数が2日以下の労働者を対象外にできます。協定がなければ対象外にはなりません。協定の有無は会社に確かめます。

Q. 要介護認定を受けていない親の介護でも対象になりますか。

要介護状態は「2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」で、介護休業と同じ定義です。要介護認定の有無だけでは決まりません。判断の考え方は両立支援制度のページに整理しています。

公式根拠

確認日: 2026年10月10日。個別の会社の規程や、申出の可否の判断は行いません。勤務先の人事担当者、または都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へご確認ください。

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