育児と介護が重なるときの両立制度

育児と介護が重なるときの両立制度(ダブルケア)

子の養育と親の介護が同時に来たとき、休業は同じ期間に重ねられず、休暇や残業免除は子のためと親のためで別に定められています。子の制度と親の制度の対応、重ねられない場合、相談先を、条文と厚生労働省・内閣府の資料で確認します。

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子の養育と親の介護が同時に来たとき、育児の制度と介護の制度を重ねて使えるかどうかを、条文で確認します。「ダブルケア」専用の休業や休暇はありません。子のための制度と親のための制度は、それぞれ別の条文で定められています。各制度の個別の中身は、仕事と介護の両立支援制度6種類の違いと介護休業の申出の手順に任せ、ここでは重なるときの扱いだけを扱います。

重ねて使えるかは、制度の種類で答えが分かれます。

休業どうしは同じ期間に重ねられません。休暇と、残業免除などの請求できる制度は、子のためと親のためで別々に定められています。個別の事情での可否は、勤務先と都道府県労働局雇用環境・均等部(室)で確認してください。

育児と介護が重なる人の数

内閣府の男女共同参画白書(平成28年版)は、総務省「就業構造基本調査」(平成24年)をもとに、育児と介護を同時に担う人を約25万人(男性約8万5千人、女性約16万8千人)と推計しています。推計値は相当の幅を持って解釈する必要があるとされています。平成28年の内閣府の調査では、ダブルケアに直面した人のうち、業務量や労働時間を減らした人が男性で約2割、女性で約4割でした。

子のための制度と親のための制度の対応

育児・介護休業法の制度の対応(確認日: 2026年10月11日)
種類子のため親などのため
休業育児休業(原則、子が1歳になるまで。条件により延長)介護休業(対象家族1人につき通算93日、3回まで)
休暇子の看護等休暇(小学校3年生修了までの子。年度に5日、子が2人以上なら10日)介護休暇(年度に5日、要介護状態の対象家族が2人以上なら10日)
所定外労働の制限(残業免除)小学校就学前の子を養育する労働者が請求要介護状態の対象家族を介護する労働者が請求
時間外労働の制限小学校就学前の子。月24時間・年150時間を超える残業の制限要介護状態の対象家族を介護する労働者が請求(同じ上限)
深夜業の制限小学校就学前の子要介護状態の対象家族を介護する労働者
所定労働時間の短縮3歳に満たない子(短時間勤務)対象家族1人につき、連続3年以上の期間で2回以上(短縮等の措置)
在宅勤務等3歳に満たない子(努力義務)要介護状態の対象家族(努力義務)

請求できる制度には、事業主が労使協定で対象外にできる労働者などの例外があります。詳しい要件は両立支援制度6種類の違いと、条文(第16条の2・第16条の5・第16条の8から第20条)で確認します。在宅勤務等は介護のためのテレワーク等の措置で扱っています。

休業どうしの重なり(同じ期間には取れない)

育児休業の期間中に介護休業の期間が始まると、育児休業の期間はその前日に終わります。条文(第9条第2項第3号)が、育児休業終了予定日までに介護休業期間が始まったときを、育児休業期間の終了事由に挙げているためです。反対に、介護休業の期間中に育児休業の期間が始まると、介護休業の期間が終わります(第15条第3項第2号)。

  • 休業は「同時に取る」のではなく、順に取る前提で計画します。
  • 育児休業は、1歳到達日までの期間に2回までなど、回数の定めがあります(第5条第2項)。介護休業を挟んで育児休業を取り直せるかは、この回数と特別の事情の定めによるため、勤務先と労働局で確認してください。
  • 介護休業は、対象家族1人につき通算93日・3回までです。育児休業を取った日数とは別に数えます(第11条第2項)。

休暇・請求できる制度の数え方(子と親で別枠)

  • 子の看護等休暇と介護休暇は、別の条文で、別々に日数の限度が決まっています。子の看護等休暇は養育する小学校第3学年修了前の子の人数(1人なら5日、2人以上なら10日)、介護休暇は要介護状態の対象家族の人数(1人なら5日、2人以上なら10日)で数えます(第16条の2・第16条の5)。子の分と親の分を合計して上限を決める定めは、条文にありません。
  • どちらも、事業主が別に定める場合を除き、4月1日から翌年3月31日までの年度で数えます。
  • 残業免除・時間外労働の制限・深夜業の制限は、「子を養育するため」「対象家族を介護するため」という請求の目的ごとに定められています(第16条の8・第16条の9・第17条から第20条)。一方の請求が、他方の請求の可否を決める定めは、確認した範囲では見当たりません。

子のための制度と親のための制度の請求期間の重なり方(開始予定日の1か月前までの請求など)は、制度ごとに定められています。請求の様式や期限は、勤務先の規程で確かめてください。

どの制度から考えるか

  1. 短期の穴は休暇で埋めます。子の発熱と親の通院付き添いが同じ週に来る、といった日は、子の看護等休暇と介護休暇を別々に使えます。時間単位でも取得できます。
  2. 毎日の負担は、請求できる制度や措置で減らします。残業免除・時間外労働の制限・深夜業の制限、短縮等の措置、在宅勤務等のうち、会社で使えるものを組み合わせます。
  3. 休業は、重ならない順番で計画します。育児休業と介護休業を同時に取ることはできないため、どちらを先にするか、いつ職場に戻るかを、勤務先と決めておきます。
  4. 給付は制度ごとに別です。介護休業給付金は介護休業給付金の要件と計算方法で扱っています。育児休業の給付は、このページでは扱いません。

相談先

未確認のまま扱っている事項

  • 育児休業と介護休業の再取得が認められる特別の事情の細目は、確認した資料の範囲では断定していません。
  • 育児休業給付と介護休業給付金を続けて受けるときの扱いは扱っていません。
  • 子の看護等休暇と介護休暇を同じ日・同じ時間帯に重ねる取り扱いは扱っていません。
  • ダブルケアの人数は平成24年の調査にもとづく推計で、現在の人数ではありません。

よくある質問

Q. 育児休業と介護休業を同時に取れますか。

同じ期間に重ねて取ることはできません。育児休業の期間中に介護休業の期間が始まると育児休業の期間は終わり(育児・介護休業法第9条第2項第3号)、介護休業の期間中に育児休業の期間が始まると介護休業の期間が終わります(第15条第3項第2号)。順に取る前提で計画します。

Q. 子の看護等休暇と介護休暇は、合わせて年5日ですか。

合算の定めはありません。子の看護等休暇は養育する小学校第3学年修了前の子の人数、介護休暇は要介護状態の対象家族の人数で、それぞれ年度に5日(2人以上なら10日)が上限です。別々の条文で定められています。

Q. 子の残業免除と、親の介護のための残業免除を両方請求できますか。

制度は、子を養育するため、対象家族を介護するための請求として、それぞれ定められています。一方があるから他方を請求できないという定めは、確認した条文には見当たりません。請求の期間や様式は勤務先の規程で確かめてください。

Q. ダブルケア専用の休業や給付はありますか。

ありません。育児・介護休業法の育児の制度と介護の制度を、それぞれの要件で使います。

Q. どこに相談すればよいですか。

勤務先の人事担当者と、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。親の介護の相談は、親の住所地の地域包括支援センターが窓口になります。

公式根拠

確認日: 2026年10月11日。個別の会社の規程や、申出の可否の判断は行いません。勤務先の人事担当者、または都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へご確認ください。

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