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救急医療情報キットは、かかりつけ医・持病・緊急連絡先などを専用の容器に入れて自宅の冷蔵庫に保管し、救急隊が駆けつけたときに情報を確認してもらう仕組みです。吹田市のリーフレットは、ひとり暮らしの高齢者等の安心・安全を確保するための取り組みと説明しています。
配布するかどうか、対象者、受け取り方は自治体ごとに違います。親の住む市区町村で配っているかは、このページでは判定できません。確かめ方は「親の自治体で確かめる項目」にまとめました。
仕組みと使われ方
厚生労働省の資料は、救急医療情報を「救急医療で適切な対応ができるように、必要な情報を記入しておき、救急搬送時に役立てるもの」としています。記入する情報の例は、氏名、生年月日、治療中の病気、服用している薬、かかりつけ医療機関、緊急連絡先、医師に伝えたいことです。
救急隊は到着後、用紙を確認し、かかりつけ医などに連絡して、必要な情報を医療機関へ伝え、搬送先を決めます。同じ資料は、キットを比較的安価に取り組めるツールとし、搬送時間の短縮などが期待されるとしています。
消防庁の検討会資料によると、全国で最初の配布は東京都港区で、平成20年(2008年)5月に始まりました。米国オレゴン州ポートランド市の実践例を参考にしたと書かれています。
なぜ冷蔵庫に置くのか
消防庁の検討会資料は、港区が現場で救急隊員が探すときに見つけやすいよう、保管場所を冷蔵庫に統一したと説明しています。吹田市は、救急隊員がすぐに探し出すのに最適な場所が冷蔵庫で、ほとんどの家で冷蔵庫は台所にあるため、場所がすぐに分かるからとしています。
キットがあることを救急隊に知らせるため、ステッカーを貼ります。吹田市のリーフレットでは次のとおりです。
- マグネット式は冷蔵庫の扉の外側に貼ります。貼っていないと、キットが無いと判断されます。
- シール式は玄関の内側に貼ります。必ず貼る必要はありません。防犯のため、玄関の外側には貼らないよう求めています。
入れるもの
消防庁の検討会資料にある港区の例では、次の5つです。
- 救急情報(緊急連絡先、かかりつけ医、緊急時の対応方法など)
- 本人が確認できる写真
- 健康保険証の写し
- 診察券の写し
- 薬剤情報提供書の写し、またはお薬手帳の写し
保険証の部分は、いまの制度に合わせて自治体が書き換えている場合があります。吹田市のリーフレット(令和6年8月)では、マイナ保険証を持つ人は資格情報のお知らせの写しも入れる書き方です。預金通帳や印鑑などの貴重品は入れないよう明記されています。
親が受診のときに出す書類(マイナ保険証・資格確認書・資格情報のお知らせ)の違いは、親の受診書類の確認項目にあります。
自治体で違う点(二つの市の例)
| 項目 | 吹田市 | 所沢市 |
|---|---|---|
| 対象者 | 次のどれか。おおむね65歳以上のひとり暮らし、おおむね65歳以上の高齢者のみの世帯の人、日中ひとりになることがあるおおむね65歳以上の人 | 市内に住所がある65歳以上の人 |
| 費用 | リーフレットでは確認できません。窓口で確かめます | 無料 |
| 受け取り方 | リーフレットには記載がありません。窓口で確かめます | 原則、本人または代理の人が配布場所へ行って受け取ります。氏名・住所・生年月日の記入が必要です |
| セットの内容 | 専用の容器、救急医療情報シート、ステッカーなど | 救急情報シート1枚、ステッカー3枚(玄関ドア内側用・冷蔵庫用・予備)、取扱説明書1枚、ケース1本 |
| シートの更新 | 内容に変更があったときは各自で更新します。古い情報のままだと適切な対応ができなくなると書かれています | 内容の変更で新しいシートが必要なときは、配布場所へ連絡します |
表は横にスクロールできます。所沢市の資料は、高齢者が複数いる世帯にはシートを人数分配り、1つのケースにまとめて入れるとしています。
使うときの注意点
吹田市と所沢市の資料には、次の注意が書かれています。親に説明するときに伝えておくと、あとで食い違いません。
- ステッカー(吹田市は玄関ドア内側、所沢市は冷蔵庫ドア外側の記載)が貼られていると、本人や家族の了承を得ずに、冷蔵庫を開けてキットを取り出すことがあります。
- 救急隊が必要と判断したときに使うもので、使われない場合もあります。
- 記載した希望どおりに、かかりつけの医療機関へ搬送されるとは限りません。
情報は変わります。服用している薬、かかりつけ医、緊急連絡先が変わったら、シートと薬の写しを入れ替える必要があります。公式資料に「年1回」のような更新の頻度は見つからなかったため、変更があったときが目安です。
親の自治体で確かめる項目
- 配布しているか。「救急医療情報キット」「救急情報キット」「命のバトン」など、名称は自治体で違うことがあります。親の市区町村名とあわせて検索するか、窓口に聞きます
- 対象者の年齢と世帯の条件(ひとり暮らし、高齢者のみの世帯、日中ひとりになる人など)
- 費用と、どこで受け取れるか(本人でなく代理でもよいか)
- シートの記入のしかたと、変更があったときの連絡先
- 市の見守りの事業(緊急通報装置など)と、どう併用するか
どこに聞けばよいか分からないときは、親の住所を担当する地域包括支援センターか、市区町村の高齢福祉担当課です。緊急通報装置や一人暮らしの登録など、ほかの見守りの事業は一人暮らしの親の緊急通報・見守りサービスで扱っています。
キットに入れる情報は、親と一緒に書くのが前提です。親が元気なうちに話しておきたいこと全体は親が元気なうちに確認しておくことに、親が一人暮らしで身元保証などの民間事業を考えるときの確認項目は身元保証サービスの契約前の確認にあります。
よくある質問
要介護認定を受けていなくてももらえますか
吹田市と所沢市の資料では、対象は年齢や世帯の状況で書かれており、要介護認定は条件に挙がっていません。ほかの自治体は条件が違う場合があるため、確認してください。
冷蔵庫以外に置いてもよいですか
自治体の資料は、救急隊が探しやすい場所として冷蔵庫に統一しています。吹田市は、冷蔵庫の扉にステッカーがないとキットが無いと判断されると書いています。自治体の案内に従います。
配っていない自治体ではどうすればよいですか
厚生労働省の資料には、キットのほかにICカードなど、地域ごとの救急医療情報の活用方法があることが書かれています。配布がないときは、地域包括支援センターに、代わりの方法がないか聞きます。
公式根拠
以下の公式資料で確認しました(確認日: 2026年10月12日)。
- 厚生労働省 救急医療情報の活用に係る関係者間の事前協議の推進(救急医療情報キット等の活用)
- 消防庁 検討会資料 参考資料2 救急医療情報キットの配布(東京都港区)
- 吹田市 救急医療情報キット リーフレット(令和6年8月)
- 所沢市 救急医療情報キット 案内(令和8年4月)